催眠誘導、29の実例スクリプト

 

Induction

実際にはどんな催眠誘導があるのか?

いくつか実例を上げてみました。

 

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ここで訳出したのは、ネットに流れる作者不詳の催眠スクリプトです。
作者不詳のスクリプトは、それぞれに使用感にあふれていますが、このサイトを見ている方には、「そのまま使える」と考えるほどナイーブな人はいらっしゃらないと思います。

訳文のまずさをとりあえず棚上げしたとしても、同じ言葉が同じ効果を生む訳ではないのはむしろ常なること、催眠に関する暗示については、なおさら言えることです。逆に言えば、言葉の後ろにある「どういう効果・影響をもたらしたいか」という意図を汲み、被催眠者に合わせて改変していければ、これらの暗示文も使えるものになるでしょうし、いくらでもバリエーションを、そして新しい催眠誘導を、いくらでも生み出すことができるでしょう。

言うまでもないことですが、催眠は、決められた言葉を決められたとおりに読めば、誰にでも同じ効果が現れる(同じだけ時間をかけて、同じ順序で同じ反応を示しながら、同じだけの深さの催眠に入ってくれる)といった「呪文」では、まったくありません。

催眠は、文脈を作り出すセッティング、そして相手に合わせるための観察・受容(そして利用)が重要です(すべてと言ってもいいくらいです)。

被催眠者が示すノン・バーバル(非言語的な)反応・サインに気づき、それに合わせて働きかける(たとえば暗示の言葉を与える)ことができれば、働きがけ(暗示)がノン・バーバルな反応を引き起こしたと錯覚させることができます。古典催眠は、にぶい催眠者にもわかりやすい被催眠者の反応(たとえば疲労によって目が閉じる)を生じさせて、それに暗示(働きがけ)を合わせるタイプの催眠誘導を数多く開発してきました。ボールが来たのに合わせて、ちょうどよいタイミングでバットを振れば打球は前に飛びますが、被催眠者の反応にちょうどよいタイミングで働きがけ(暗示)ができる人は、「勘がよい人」として、たとえば本を読んで同じようにやってみるだけで、「催眠ができる」ようになります。

現代催眠では、被催眠者が示すノン・バーバル(非言語的な)反応・サインは、かすかなものでも、できるかぎり拾い上げます。極端に言えば、それを言語化してやれば(例:「呼吸が変わってきました」「脈拍も変化して出してます」)、それだけでも催眠誘導になります。

現代催眠の一つの特徴は、許容的であることだと言われます。たとえば現代催眠では「外れにくい」言葉を使います。先の例だと「呼吸が変わった」というだけで、早くなった遅くなったのか強くなったのか弱くなったのか等には触れていません。「呼吸が変わった」という言い方は、そのどれにも当てはまります。被催眠者の経験や感じ方がどのようなものであっても、できるかぎり果てはまる(受け入れる)形での、働きがけ(暗示)であることから「許容的」と言われます。

さらに「呼吸が変わってきました」というのは、単なる「実況中継」ではなく、被催眠者の注意を、被催眠者(の身体)自身に向ける「暗示」でもあります。さらに呼吸に意識を向けると、呼吸が変化する可能性があります。つまり「呼吸が変わる」という暗示は、自己成就的予言(予言すること自体が、予言の実現に働く予言)でもあります。意識的に呼吸するのと、意識せずに呼吸するのとは言葉の上で異なることでもありますが、意識して呼吸した経験、呼吸を意識してそれまでと同じようには呼吸できなくなった経験を、少なくない人が持っています。「呼吸が変わる」という暗示は、そうした被催眠者が持っている体験(被催眠者が持っているリソースの一部)を呼び起こすことで、被催眠者に働きかけています。被催眠者の持つリソースの利用・活用も、現代催眠の特徴のひとつです。

よくできた催眠暗示は、一つの言葉にも、多くの機能が埋め込まれ、複数の効果(もちろん強め合う効果)を発揮するように、練り上げられています。ある被催眠者がどの効果に反応するかわからないからです。多くの効果が発揮されるよう催眠暗示をつくることができれば、さまざまな被催眠者に効く可能性が高くなります。しかし、今、被催眠者を前にしている催眠者は、働きかけ(暗示)に対する反応を通じて、目の前の人が、どのような暗示に反応し、どのような暗示には無反応か(そしてマイナスの反応を示したり、抵抗しようとしたりするか)を知ることができます。相手の反応にただタイミングを合わせるだけでなく、暗示内容の傾向や種類を変えていくことも可能です。

相手に応じて臨機応変に働きかけ(暗示)を変えていける催眠者は、多くの催眠導入を使う必要はないでしょう。おなじみの暗示を、どのように変えていけばいいかは、目の前の被催眠者がノン・バーバルに教えてくれます。

この作者不詳のスクリプトたちは、お仕着せの呪文ではなく、リバース・エンジニアリングよろしく、「この言葉(働きかけ)で何をしようとしているのか」をバラバラに分解して理解する、そして組み立てなおして暗示をつくる/作り変えるトレーニングの素材として提供されるものです。これらスクリプト自体が、伝統的な催眠誘導からの改変を通じて生まれてきたバリエーションです。どんな必要からどんな改変がなされたか、その背景を考えてみることも、臨機応変に暗示を変える能力を高めることにつながるでしょう。

 

目 次

 


○腕降下法

 

催眠家への指示

 被催眠者は、その手が頭より少し上にくるように腕を上げるように求められ、そして暗示を与えられる。
この催眠導入には特に注意を払う価値のある多くの側面がある。
ひとつは、腕の位置が結局は下がってくるしかない位置に置かれることである。
下向きの動きは「深いdeepリラクゼーションの状態」へ「down下がる」という言葉と結びついている。
腕を上げたままでいようと努力すればするほど、被催眠者は「腕がすっかり下りてしまうまでは、催眠に入ることはないでしょう」という言葉が含む含意にますます没入してしまう。
この言葉はもちろん「あなたの腕がすっかり下がる時、あなたは催眠に入る」ことを意味している。

被催眠者へのことば

 手をアタマの少し上まで上げてください。
手の先を,そうですね,人差し指か中指を見つめてください。
あなたは指先をずっと見ていることもできるし、目を閉じたくなったら、目を閉じて、心の目で指先を見ることもできます。
指先をじっと見つめていると、ほかの指がぼやけて見えなくなっていくことに気づくかもしれません。
それから腕全体が次第に重くなり始めていることに気がつくかもしれません。
でも、あなたの腕がすっかり下がってしまうまでは、あなたは深いリラクゼーションに入ることはありません。
腕が重く、重く、おもーくなっていく間、ずっと指先に集中してください。
(腕が降りる動きが見られたら) 腕が重くてくるにしたがって、腕がゆっくり下に、下に、下に降りていくのを意識してください。
でも、あなたの腕がすっかり下がってしまうまでは、あなたは深いリラクゼーションに入ることはありません。
下に、下に、下に下りていきますよ。
深く、深く、ふかーく(催眠深化の暗示を続けて行う。暗示は、腕の実際の動きに合わせてタイミングよく行う必要がある)。


○腕浮揚法

 

催眠家への指示

この誘導法(深化法として使う場合も同様)では、催眠家は被催眠者の反応に暗示するペースを合わせる必要がある。

被催眠者へのことば

私が1から20まで数を数えていきます。
そうすると、軽さの感覚、簡単で楽しい感覚があなたの右の手と右腕に移っていきます。
数えるのを続けていくと、感覚がどんどん強くなっていきます。
指にかすかな動きを最初に感じたらすぐに、筋肉がぴくっと動きます(この段階で、被験者の腕を持ちあげて、暗示が続いていくと腕がどのように動いていくのかを教えるとよい)。
それからあなたの手は持ち上がりはじめます。あなたの上では持ち上がり出します。
腕は動き続け、持ち上がり続けて、あなたの体にくっつくまであがり続けます。
さあ、手と腕に動きを感じたら、抵抗しようとしないでください。
あなたは抵抗しようとすればできますが、ここでは抵抗する理由はありません。ただあなたの無意識が完全な仕事をするのに任せましょう。
いいですよ、さあ準備は整いました。
-1(いち)、最初の、軽い楽な感覚が、右手の指先に移っていきます。
-2(に)、その感覚が指の爪の下で広がっていきます。
-3(さん)、指の第一関節が上がりはじめようとしています。
-4(よん)、指の背中側全体に、あの感覚が広がっていきます。
-5(ご)、最初のかすかな動きが、起こりはじめてます。指のかすかな動き、筋肉のぴくぴくした張りです。
-6(ろく)、軽い感覚が手の甲全体に広がっていきます。
-7(なな)、親指にも感覚が流れ込んでいます。
-8(はち)、さあ、手のひら全体が動き出そうとしています。
-9(きゅう)、軽さの感覚が手首まで広がります。さあ、左手について考えてみてください。あなたは比較してみることができます。左の手はとても、とても重く感じられ出しています。
;--10、数を数えるたびにあなたの右手はだんだん軽くなります。まるで息を飛んでいく羽のように軽く、もっと軽く。ヘリウムガスでいっぱいの風船のように軽く。風船が浮かび上がり天井へ上っていくように、同じように、私が20を数えるまでに、あなたの右手は動き出し、持ち上がって、上っていき、浮かんでいきます。
-11、軽さの感覚が手首まで広がりました。いまや二の腕まで広がっていきます。
-12、・・・13、もういちど、左手を意識してださい。あなたの左手は、とても重くなってしまいました。まるで大理石か石でできているみたいに。
-14、軽さの感覚がひじまで広がっていきます。
-15、指の爪からひじまで、あなたの手は軽く軽く、そして自由になりました。手は持ち上がり始めています。動き出し、持ち上がり、浮かび上がろうとしています。
(この時点で、手が動いていないなら、やさしく手を持ち上げて、最初からやり直します)-16、さあ、あなたの腕は動き出し、持ち上がり、上にのぼっていきます。そして、あなたの腕が持ち上がればあがるほど、あなたは深くもっと深く催眠に入っていきます。
-17、あなたの手は動き続けて、あなたの体にくっつくまで、持ち上がり、上っていきます。
-18、動き、持ち上がり、のぼり、浮かんでいきます。あなたの手はあなたの体にくっついたそのとき、あなたのまぶたは固く閉じます。あなたのまぶたは硬く閉じると、あなたが開こうとすればするほど、まぶたはますます硬く閉じます。
-19、あなたの手は降りる用意、体にくっつく準備を始めています。
-20、さあ、あなたの手が体にくっつきます。と同時に、あなたのまぶたはとても固く閉じて、開こうとすればするほど、まぶたはますます硬く閉じます。
いいですよ。まぶたを空けようとするのをやめて、もっと深いトランスに入ってください。


○腕浮揚法2

 

被催眠者へのことば

深い催眠に入る準備ができたら、目を閉じて、深く息を吸い、ゆっくりと吐き出してください(しばらく間をあけ、観察する)深くゆっくり息をしていると、いつもより多くの酸素を体の中に取り込むことになります。息を吐き出すたびに、あなたの体はどんどんリラックスしていきます。
息を吸って吐き出すたびに、あなたは体の自然なリズムに気づき、そして心地よい感覚が育っていくのを意識していきます。
そこに座り続けていると、あなたは自分がもっとリラックスし、もっと心地よくなっていくのを感じます。
あなたの手を、いすの腕に置いて、やさしく休ませていると、もっと心地よい感じを感じることができると思います、そうではないですか?(被催眠者が腕と手を椅子の腕に置くまで待つ)いいですよ。椅子の腕を触れるか触れないかという感じで触ってください。・・・あなたの手はとても軽く乗っているので、あなたの指の爪は椅子の腕にわずかに触れているだけです。
うまくできてますよ。・・・あなたの手がくつろぎ椅子の腕に軽くふれているので、呼吸のたびに、あなたは手がひとりでに、ほんの少し持ちあがろうとしていることに気づいてください。
あなたの体はリラックスし続けるので、手があなたの顔に向かって,今にも持ちあがろうとしているので、どんどん軽くなるのを感じ続けます続けていると、一方の手かもう一方の手が、あるいはその両方がもっと持ち上がっていくかもしれません(間を空ける)どのように手がますます軽く感じられ、意識が努力しないのに、顔に向かって持ち上がっていくのか、本当に興味深いことですね。
一方の手が顔のほうへ持ち上がっていくと、もう一方の手は持ち上がって手を追いかけるのでしょうか?それとも、椅子の腕に軽く休んだままでいたいのでしょうか?そちらの手が顔に向かってスムーズに持ち上がっていくのでしょうか? それとも、小さなぴくぴくとした動きで上がっていくのでしょうか?手はもっとすばやく上がりたいのかもしれません、それとももっとゆっくり顔に近づこうとしているかもしれません・・・そして最後に顔に触れるまえに、ほんの少し止まる必要があるかもしれません。そして手が顔についたら、あなたは本当に深い催眠に入ることを知るでしょう。
そしてあなたの無意識の心が本当に深い催眠に入る準備ができるまでは、手はあなたの顔に触れないでしょう。
手が顔に触れたとき、リラックスしてもっと深い、もっと穏やかな催眠に入る体験をして、本当に深い呼吸をするでしょう。
(ノート:顔に手が付くまで暗示を続ける。手が顔に付いた後は、次の暗示を与える。)あなたの手がゆっくり独りでに椅子の腕にもどるので、あなたはまだ自分がもっと深い催眠に入ったことに気づいていないかもしれません。


○連結法

 

被催眠者へのことば

さあ、あなたは目を閉じることができます。・・・そして深くゆっくりと呼吸しはじめます。・・・あなたが完全に、深い催眠に入るまで、私の言うことすべてを注意深く聞いてください。
事は自動的に生じるでしょう。・・・それであなたは考えることも必要ありません。・・・そして何が起こるか意識的にコントロールすることはないでしょう。
息を続けていると、あなたの目の周りの筋肉は、ひとりでに、すっかりリラックスするでしょう。楽に、自由に、息をしていると・・・考えることなしに、あなたはすぐに深い、平穏な、催眠に入って生きます。何も努力することはいりません。・・・意識が行うことで重要なことは何もありません。
あなたの無意識が行う活動をのぞいて、本当に重要なことは何もありません。まるで夢のように自動的に行われます。・・・そして目覚めたときには夢をわすれることがどれほど簡単か、あなたは知っています。
とてもよい反応していますよ。気づいていなくても、あなたの呼吸の速さはもう変わっています。・・・あなたはもっと楽にもっと自由に呼吸していきます。・・・そして催眠に入り始めているサインを示し出しています。
あなたは次第にリラックスすることを楽しむことができます、そしてあなたの無意識は私の言葉のひとつひとつを聞くでしょう・・・そしてあなたが意識的に私の声を聞くことはますます重要でなくなっていきます。
あなたの無意識は、私の囁きさえ聞くことができます。
あなたは、より切り離された状態の中に漂いつづけます。自分の心の中を誰にも知らせず調べるために・・・あなたがやったことも知らない秘密、感情、感覚、そして行動を・・・同時に、完全にトランスに入りながら・・・あなたの心は問題を解決しています・・・あなたのペースで・・・あなたが準備できるとちょうど感じる速さで・・・目を閉じてそこに座っていると、あなたはもっとリラックスし、もっと心地よくなっていきます。
深く入ることが快適であるのを経験するのに、あなたは動くことも、話すことも、あなたを困らせるどんなこともする必要はありません。
あなた自身の内なる心は、私が話すことすべてに、自動的に反応することができます・・・そしてあなたは、自分の中で進んでいくことに驚き喜びを感じるでしょう。
あなたは深い催眠トランスにもっと近づいていきます・・・そして深いトランスに入っているかどうか気にかけなくてもよいことがわかり始めています。
平和な状態の中にいることで、あなたは催眠トランスを心地よく体験することができます。
催眠状態なることは、いつもとても楽しく、とてもうれしく、静かで、平和で、完全にリラックスした経験です。
あなたの未来に、催眠が含まれることは、当然のように思えます。
私があなたを催眠に入れるときはいつも、催眠はもっと楽しいものになっていきます。そしてあなたはもっと価値ある経験をするようになります。・・・それで私があなたを催眠に入れることを楽しむようになるでしょう。
あなたは常に、心地よい、平和で、静かな、感覚を楽しむでしょう。そして、すべてのほかの感覚は、すばらしい経験から自動的に生まれてきます。
私があなたを催眠に入れるよう決めるのはあなたなので、あなたは本当にしあわせを感じるでしょう。・・・あなたの一部を理解する経験を進めていけばいくほど、そうなるでしょう・・・あなたは自分自身について何かを学んでいます・・・自分自身で行うセラピーの技法を発達させていきます・・・それを発達させていることを知らないままに・・・遅かれ早かれ、あなたは自分がセラピーの技法を持っていることを知って驚くでしょう。それはとても喜びに満ちた驚きです。
どこでも大好きな場所にいる自分を想像してください・・・それは湖のそばかもしれないし、海のそばかもしれません・・・おそらく、穏やかな湖でヨットの上であなたは穏やかに揺られています・・・暖かい、夏の日・・・さあ、あなたはもっとリラックスしていきます・・・あなたはもっと心地よくなっていきます・・・ここは、あなたが大好きな、あなた自身の世界です・・・リラックスするために、とても心地よく心静かに感じるために、あなたはどんな時でも、好きにつかえる数分間があることがわかるでしょう。あなたは自動的に、今体験しているこの感情に戻ってくることができます。
あなたは自分をいつでも好きな時に、この世界につれてくることができます・・・心静かに感じたくなる時があるでしょう・・・ししてあなたはいつでも好きな時に、心静かな感情を自分のものにするでしょう。
このうれしい経験を楽しむことを続けてください。あなたの無意識は私が話すすべてを受け取っています・・・そして私が言うすべてに自動的に反応するやり方を、あなたは喜ぶと思います。


○混乱法

この催眠誘導の基本的メッセージは、意識的には忘れ、無意識的には知るということです。このメッセージが、引き伸ばされ、繰り返されます。意識的な心に対する指示を分け、無意識的な心に対する指示を分けなさい。暗示と停止と心の疲労とによって、無意識の注意を維持し、意識的な注意を麻痺させなさい。
被催眠者を座らせるか横たわらせるかして、リラックスした姿勢を取らせ、目を閉じてもらいなさい。暗示の言葉を言うときは、ゆっくりリズミカルに行いなさい。

 

被催眠者へのことば

(この行は最初だけ読み、繰り返さない)ただまぶたを閉じて、あなたの心をどこへでも好きなところに漂わせてください。
あなたはすべてを意識していますが、しかし意識していません。
あなたは無意識の心で聞いていますが、意識の心はどこか遠くへ行っていて、聞いていません。
あなたの意識の心は遠いところにいて、聞いていないのです。
あなたの無意識の心は目覚めています、そしてすべてに耳を傾け聞いています。
一方、意識の心はとてもリラックスしたまま、静かなままです。
無意識の心が仕事は引き受けているので、あなたは静かにリラックスすることができます。
そして事が起こると、あなたは目を閉じて、無意識がすべてを聞くようにします。
あなたの無意識は知っています。
無意識の心はしっているので、意識の心は知る必要がないし、眠っていられます。
そして無意識の心が目覚めている間、意識の心は目覚めていません。
あなたは無意識に、意識の心が持っていないような、大きな力を持っています。
あなたはすべてを思い出すことができます。
無意識の心に起こったすべてを。
しかし意識の心ではすべてを思い出すことはできません。
あなたはとても簡単に忘れることができます。
そして、あることを忘れることによって、ほかの事を思い出すことができます。
あなたが忘れても問題ありません、あなたは覚えている必要がないのです。
あなたの無意識の心があなたが知っているべきことをすべて覚えているし、あなたは無意識に耳を傾けさせ覚えさせることができます。
一方、あなたの意識は眠りそして忘れます。あなたの目を閉じたままにしてください。
そして無意識の心で聞いてください。
あなたがずーっと注意深く聞いていると、あなたの頭は「はい」とうなずくことができます。
私の言葉を、無意識の心で聞き続けていると、意識の心は深くもっと深く眠ります。
もっともっと深く。意識の心を深く眠らせていてください、そして無意識の心は私に耳を傾けるように。
(第2パラグラフから繰り返せ)(催眠深化の技法や催眠テストを使いなさい)


○直接凝視法

ここで紹介する誘導法は、直接凝視法というものである。
これは最も強力な催眠誘導のひとつであり、最も使用が難しいものでもある。
というのは、これを使う人には、完璧な自信が必要になるからである。催眠者が何か疑いを抱いたり、躊躇したり、恐れたりすると、このことは目に表れる。
被催眠者はそれを見て取り、反応を引っ込めてしまうだろう。
被催眠者が立っているなら、「いいですよ。私はあなたに、これだけをじっと見つめてほしいのです」と言って、右手の人指し指を、自分の右目の下に持ってきなさい。
被験者が座っていたり、仰向けに寝ていても、正確に同じ事を言いなさい。
あなたが被催眠者を見ている時に、瞬きをしないことが大切である。
あなたの目を少し細めなさい、そうすれば眼球が乾くことはないでしょう。
被催眠者の目に何かが生じたら、それに反応して、数を数えるタイミングを調整しなさい。
もしどんな反応もなければ、暗示を引き伸ばしなさい。
(たとえば、「5、まぶたが重くなり、疲れを感じ、眠気を感じます・・・まぶたがとても重いのを感じます。 4、・・・あなたの重いまぶたが次第に閉じようとしているように感じます。3・・・次に・・・」)。
被催眠者が瞬きを始めたのが見えた瞬間、テンポを上げて言いなさい「そして、いま、あなたの目は閉じ始めます、閉じていきます・・・」

 

被催眠者へのことば

-さあ、あなたにここのところを見てほしいと思います。
私から目をそらさないで。
私があなたに尋ねるまでは、動いたり、しゃべったり、うなずいたり、「うーん」と言ったりしないでください。
あなたが私の話すことを聞いて理解していることを、あなたが知っているように、私も知っています。
私の簡単な指示に従ってくれるならば、あなたがとても深くて楽しい催眠状態に入っていくのを、それもほんの一瞬で催眠に入るのを、邪魔するものは、何ひとつないでしょう。
さあ、息を深く吸って、肺をいっぱいにしてください。
(深く息を吸い、そしてあなたの右手を取り、空に向かって上へ動かしなさい)。
さあ、吐いて。
(吐くのに合わせて、手を下に下げる)。
いいですよ。
さあ2度目の息をもっと深く吸って(手を持ち上げる)。
吐いて。
(手を下ろす)。
リラックスしましょう。
さあ、3度目を深く吸って。
(手を持ち上げる)。
吐いて。
(手を下ろす)(ノート:続きのセクションでセラピーを行う)(あなたの手を頭の上に上げ、人差し指を3フィートほど体より前に、2フィートほど頭より上に)。
さあ、5から1に数を数えます。
私がそうすると、あなたのまぶたは重くなり、疲れを感じ、眠気を感じます。
私が1を数えると、まぶたはちょうど閉じ、あなたは深く、催眠に入っていきます。
以前入ったよりももっと深く。
いいですよ。
5(指を下げ始める)・・・まぶたが重くなり、疲れを感じ、眠気を感じます・・・4(指を下げていく)・・・4、・・・あなたの重いまぶたが次第に閉じようとしているように感じます。
3(指を下げていく)・・・次にあなたが瞬きしたら、あなたは催眠に入っていきます・・・2(指を下げていく)・・・あなたの目は閉じ始めます、閉じていきます、閉じていきます、閉じていきます、閉じていきます、閉じる、閉じる、閉じる・・・まぶたが閉じていきます、閉じていきます、閉じていきます、1・・・(右手を被催眠者の後頭部の下の首の付け根に持って行き、頭蓋骨を支えるようしなさい。被催眠者の左腕のひじを握りなさい。突然、右手を前に押し出し被催眠者をうつむかせて、言いなさい)さあ、眠りなさい。
(催眠深化か催眠テストを用いる)


○落下物法

集団を催眠にいれるのに適する催眠者への注意このテクニックには、ペンや鉛筆やコインを用いることができる。
多くの場合、人はコインを持っているだろうが、ペンや鉛筆は持っていないかもしれない。
ペンや鉛筆はどちらでも同じように使うことができるが、もしあなたがコインを使うなら、どの被催眠者もコインを使うようにしたほうがいい。

 

被催眠者へのことば

(被催眠者やそのグループに、ペンや鉛筆やコインを貸してほしいと頼みなさい。
それを親指と人差し指でつまんで、みんなに見えるように体の前にもっていきなさい(ここではコインを使うことになったとしよう)。
被催眠者たちにも、それぞれにコインを落ちないようにしっかり持っているようにいいなさい。
グループを催眠に入れる場合は、開始の合図として、適切なタイミングでコインを落とせばいい)。
さあ、目を閉じて、右手の親指と人差し指で挟んだコイン(あるいはペン、鉛筆)について考えてください・・・さあ、深く息を吸い、ゆっくり5回に分けて吐き出してください・・・息を吸う度に、より多くの酸素が肺の中に入ってきます。酸素は肺から心臓へ運ばれ、あなたの心臓が体を巡る血管に押し出されます。酸素は体中に行き渡ります・・・息を吐き出すたびに、あなたはリラックスして、もっと静かにもっと平和な気分になっていきます。
リラックスが全身に広がり行き渡っていきます。そして右の肩を通って腕の中を降りてきてリラックスは手と指まで来ます・・・しばらくすると、右手の指はとてもリラックスしてくるので、コイン(ペン、鉛筆)はあなたの手から滑り落ち、床に落ちるでしょう。
コイン(ペン、鉛筆)が床に落ちる音を聞くと、最初はちょっとユーモラスな感じがするかもしれません。けれどその音を聞くと、あなたはもっとリラックスしていくでしょう。リラックスした感じが全身に広がっていくのを楽しむでしょう。
ほかの物音や雑音は小さくなり消えていきます、そしてあなたは私の声だけを聞いています。
リラックスはあなたの全身に広がり続けます。頭のてっぺんから足のつま先まで全身がリラックスしています。
リラックスした感じは続き、もっと楽な感じがしてきます。あなたは前進が平穏であり心地よく穏やかなことを感じ、そしてイメージします。ちょうど今あなたがやっているやり方で、あなたはリラックスしていきます。
さあ、左手の親指を、きつく人差し指に押し付けてください。・・・あなたは左手以外の体全部がさっきよりずっとリラックスしているのに気づくでしょう。そしてすぐに左手の親指と人差し指もリラックスして、あなたの指と指は離れ始めます。・・・左手の親指と人差し指がリラックスすると、コインを持っている指はリラックスして、コインは手から滑り落ち、床に落ちるでしょう。
コイン(ペン、鉛筆)があなたの指から落ちたとき、あなたはさらに深い催眠に入っていきます。そして私が開けというまで、あなたは目を閉じ続けるでしょう。


○イメージを用いた凝視法(子供用)

 

催眠家への指示

ぬいぐるみを抱えさせるなどの触覚テクニックは、2歳児に適しているかもしれない。4歳児には、人形の方が反応がよいようだ。6歳児にはコイン・テクニックやテレビ・テクニックがよいだろう。発達的に言って、学齢期の子供(7〜11歳)は「お気に入りの場所」法を、青年期の人にはスポーツのイメージを用いると、最もよい反応が得られるだろう。

被催眠者へのことば

-(子供の名前;〜ちゃん)、今日は特別なことを教えてあげたいんです。
君も覚えることができるし、もちろん使うこともできることです。
君ならどんどん身につけることができるだろうね。
最初はまず、ここにあるこのコイン(子供にコインを渡す)を君に持ってほしいんだ(催眠者は子供が親指と人差し指で持つようにコインを渡す。
そして目の高さの少し上の高さまで、その手と腕を持ち上げる)。
さて、このコインを見つめてくれるかな。
そして全部の注意をコインのこの部分に集中してほしいんだ。
君がそうしていると、だんだんとリラックスしてくるよ。
だんだんとリラックスしてくると、コインはどんどん重くなっていく。
少しすると、コインは君の指から滑り落ちて、そして君の目は閉じ、君の腕はだらんとなってひざのところに戻っていく。
(反応を待ち、必要なら暗示を強めなさい)。
ぼくらは何か楽しいことを話ができるし、そうして君はもっとリラックスしてもっと気持ちよくなれるよ。
すばらしいピクニックを思い浮かべてほしいんだ。
君がまだいったこともないような最高のピクニックだよ。
空は青く晴れて、雲は君が好きな感じに出ている。
君にちょうどいいくらいに涼しすぎず暖かすぎない、ちょうどいい温度だ。
今日を君がこうだったらいいなって思う日にすることができるよ。
君はピクニックには一人で行きたいと思うかもしれないし、誰か大好きな友達と行って大好きなゲームや何かをやりたいと思うかもしれない。
このピクニックに参加する人には、(子供の名前)、とても特別な毛布をしいて地面に寝転がる人もいる。
君は毛布の上に一人で座ってもいいし、友達と一緒でもかまわない。
そいつはとても特別な毛布だってことに君は気づくだろう。
なにしろ君が命じれば空を飛ぶ毛布だからね。
君は毛布に君が好きなだけ高く、もちろん好きなだけ低く飛べと命令することができる。
君がパイロットだ、君が毛布を操縦してるんだ。
君は好きな場所ならどこへでも飛んでいけるし、見たいと思うものすべてを見ることもできる。
君の毛布に乗って空を飛ぶなんて、こんな風に一日を楽しめるなんて、おまけに操縦できるなんて、すばらしい感じがするね。
(ノート:次の2パラグラフはセラピーを行うときに使用できる)このすばらしい日を、君がやっていることを、ただ楽しもう。
飛んでいると、君は少しの間思うかもしれない(ここで観念運動のサインを用いて、セラピーのための暗示やお話を行うことができる)-(子供に君がパイロットであり君が操縦しているのだということを強化し続けながら)君がこの特別なピクニックに行きたい、毛布に乗って飛びたいと思ったらいつでも、君はそうできるよ。
・・・いつも君がパイロットだし、君が操縦しているんだってことを忘れないで。
君がやるときはいつも、(セラピーの目的)をすることはどんどん簡単なことになっていくだろう。
(ノート:ここでトランスを終了し元に戻る)-さあ、(子供の名前)、君がとっても好きな場所に、毛布を着陸させてほしいんだ。
その場所は君が心地よく感じ、とてもリラックスを感じて、安心できる場所だね。
君の毛布がふんわりと地面に下りたら、新鮮な感じ、リラックスした心地よい感じを感じながら、君は目を開けることができるよ。
それでいい。
君はすばらしい仕事をやり遂げたんだよ(子供の名前)。
(子供の経験を進めるのに、いくらかの時間を費やすこと)。


○凝視法

 

催眠家への指示

これは伝統的な催眠導入の方法である。
被催眠者は、ある物体を凝視して焦点を合わせそらさないように指示される。
催眠者は、被催眠者の反応を観察し、暗示のタイミングを反応に合わせることで、この催眠誘導の効果を高めることができる。
たとえば、被催眠者が瞬きしたすぐ後に「時には瞬きが起こるでしょう」ということなどが、これにあたる。

被催眠者へのことば

(凝視させる物体の)きらきら光る部分を見てください。
それを見つめて視線を動かさないように。
何度か深く呼吸してください。
そのまま深い呼吸をつづけてください。
私の声に耳をすまして。
あなたはまぶたが重くなってくるのを感じるでしょう。
ほとんどまぶたがくっつくほど重く感じるようになるかもしれません。
そしてあなたがこれを見つめれば見つめるほど、あなたのまぶたは重くなっていきます。
そして瞬きをして、何かがゆっくり目を閉じさせようとして、まぶたを下にひっぱっているような感じがして、次第にうとうととし、眠気を感じ、まぶたは重くなっていきます。
そしてまぶたがゆっくりと閉じていくような、ゆっくりと閉じていくような、もっと眠気がしてもっとだるくなるような、感じがします。
そしてまぶたが閉じると、とても気持ちのいい感じがするでしょう。
眠く、重く、引っ張りさげる、さがる、さがる、さがる、ゆっくりと閉じる、どんどん見るのが難しくなっていきます。
そして気持ちよい感じがします。
目を開けているのはとても、とても難しい。
もうまもなくまぶたがきつくとじ、しっかりと閉じ、しっかりと閉じ、きつくとじていくのを感じます。
目がきつく閉じ、気持ちよく感じる。
心地よくに感じます。
あなたはすっかりリラックスしています。
漂うのに任せて、この心地よいリラックスした状態を楽しんでください。
頭がどんどん重くなっていき、うなずくように前に倒れようとしているのに気づきます。
そしてゆったりとしたおだやかなリラックスした状態の中を漂うのに任せてください。


○「お気に入りの場所」法(7〜11歳の子供向け)

催眠家への指示

触覚を用いた技法、たとえば「ぬいぐるみを抱っこ」法のようなものは、2歳児に適している。
4歳児にはお人形が、6歳児にはコインやテレビをつかった技法がいいだろう。
発達にしたがって、学齢期の子供(7〜11歳)は「大好きな場所」技法が、青年にはスポーツのイメージが最もよい反応が得られるだろう。
-催眠に入る面談で、その子が大好きな場所について、できるだけ多くの情報を集めるべきである。
その情報はセッション中にその子にフィードバックされることになるだろう。

被催眠者へのことば

居心地がいい座り方で椅子に座ってください。
さあ、手をひざの上に置いて、よおく見て手の上にどこかひとつ場所を見つけて、じっと見つめたい点を決めてください。
それは皺のどれかかもしれないし、爪のどれかかもしれないね。
さあ、点を見つけられたね。
君が選んだ、じっと見つめるための特別な点だ。
その点に自分を集中させてください。
全神経を君の特別な点に集中させて。
集中力の限界までその点に集中するんだ。
きみがそうしても、私の声はずっと聞こえているし、君は自分の体をとてもリラックスさせて心地よい感じを感じることができるよ。
さあ、少し時間をかけて、正確にはいつかわからないけど、多分すぐに、君の目はとてもリラックスしてとても心地よくなっていくので、次第に閉じたがってくる。
---早く目を閉じるか、それともゆっくりそうするか、君は自分にちょうどいい時を選ぶ。
そして目が閉じたら、きみは今感じているよりももっとリラックスしてもっと心地いい感じを感じるだろう。
(必要なら閉眼を強化する)。
いいよ。
とても心地よくておだやかな感じが、頭のてっぺんから体のいたるところを通ってつま先まで広がっていくね。
そして君が、ちょうど今みたいに、とてもリラックスしてとても心地いい感じを感じたら、世界で君が一番お気に入りの場所にいると想像してごらん。
今まさにそこにいるんだ。
さあ、そのお気に入りの場所は、君が以前行ったことがあるところかもしれないし、何かで読んだことがある場所かもしれないし、夢に見たことがある場所かもしれない。
いずれにしろ、お気に入りの場所では、すべてが君の思い通りになるんだ。
君は1人でそこにいるのかもしれないし、特別な親友たちといっしょにいるのかもしれない。
もちろん君は大好きなことがやれるし、その日の出来事はみんな君の思い通りになる、君のお気に入りの場所がどこだか、ぼくにははっきりとは分からない。
ただ(インタビューで得た情報を使う)じゃないかと想像はするけどね。
ぼくにわかるのは、君のお気に入りの場所がどこだか君は知っていて、それを今まさに楽しんでいるってことだ。
君はお気に入りの場所や君がやりたいことをずっと楽しむこともできるし、リラックスして大好きな場所にいると君にできる特別なことについてぼくらで話し合うこともできる。
君が助けてくれるならね。
(ノート:セラピーを行うならば、セラピストは適切な暗示と質問に対する観念運動のサインをつかって目的の処置を始める)さあ、お気に入りの場所にもう少しの間いてかまわないよ。
あと何分かしたら、君はぼくといた部屋に戻ってくる時間になる。
リフレッシュしたリラックスした感じと、君が学んだことと君が〜(セラピーの暗示を強化する)だったときにできたことの、とてもすばらしい思い出を感じながらね。
だんだんとリフレッシュしてリラックスした感じがもどってくるのにまかせればいい。
目を開けて、ぼくのいるここにもどってくる準備ができるのにまかせればいいんだ。
君はいつでも好きな時に、お気に入りの場所に戻れるんだからね。
おかえり、○○君(ちゃん)。

○「森と霧」法

催眠家への指示

この催眠誘導は、水や鳥、その他森に関する音をにすると効果が高い。しかし、誘導中に合図があるまでは、森の音はスタートさせないこと。

被催眠者へのことば

今日の楽しく、また有用な経験をする準備のために、体を締め付けているものを緩めているか確かめてください。確認できたら、できるだけくつろいだ姿勢になるように体の位置を調整してください。
さあ、目を閉じて、深く息を吸って、3、4秒の間息を止めて、それからゆっくり息を吐いてください・・・(被催眠者の反応があるまで待つ)56もういちど深く息を吸って、ゆっくり吐いて・・・5、6回そんな風な呼吸を続けてください・・・息を吸うと、体の中にいつもよりたくさんの酸素が入ってきます。そして息を吐くと、あなたの体はどんどんリラックスしていきます(ここで待ち、被催眠者を観察すること)さあ、息をしているのが楽に感じます。そして自分がもっと落ち着いてもっと心静かになっていくのを感じます。
とても深い静かなリラックスにあなたが入っていったら、あなたにそのサインが現われてきます・・・私があなたに語りつづけていると、あなたはもっと静かなリラックスが続いていくのを感じるでしょう・・・どれだけ深くリラックスするか気にすることはありません。ただもっと静かに、もっと平和にもっと楽になっていくのをただ楽しんでください。楽に息をつづけてながら。
無意識はいつも私があなたに話している内容に気付いています。それであなたが私の声を意識して聞くことは、次第に大切なことでなくなっていきます。
あなたの無意識の心、そしてあなたの内なる心は、あらゆるレベルで私があなたに話していることをすべてを聞き受け止めます。そしてあなたの意識の心は完全にリラックスすることができます。
あなたは完全に平和な心の体験を続けています。そしてあなたが私が描く状況に入ってくるのを感じることができます。それは自動的に起こるでしょう。そしてあなたは意識では、そのことについて感じる必要はありません。
30(オプション:鳥や水の音を録音したテープをスタートさせよ。がスタートして約30秒したら止める)さあ、あなたが新鮮で透明な水の流れの近くで、心地よい姿勢で横たわっているところを想像してください。そこは真夏の日の美しい森の中です。
暖かく、やさしい呼吸です。そして空気は新鮮で澄んでいて、平和な水の流れる音がとてもリラックスさせてくれます。
私の声を意識で聞くことはますますどうでもいいことになっていきます。なぜならあなたの無意識とあなたの内なる心は、あらゆるレベルで、私が話すすべてのことを聞いて受け止めているからです。
あなたは心の中で、自然の美しさを楽しんでいます。太陽の光が木々の間からさしています。あなたは水の優しい流れを聞いて、鳥がかわいらしく歌うのを聞きます。
あなたはそこに横たわって、心地よくリラックスしています。とても平和なので、あなたはこれまで経験したことないほどリラックスを感じ続けます。
この平和で楽しい体験をずっと楽しんでいると、心地よい眠気が全身に広がっていきます。頭のてっぺんから足の先まで・・・。
あなたはもっと平静で、もっとリラックスして、もっと安らぎを感じ続けます。
そして、目を閉じてそこに横たわっていると、あなたはとてもリラックスして心地よく幸せな気分でいるので、もっと静かなもっと独立した状態にどんどん入っていきます。
それは眠りの状態の中を漂っているような感じかもしれません。
私の声が遠く離れて聞こえる時があるかもしれません・・・そして私があなたに話しているとき、あなたは意識では私の声に気付かない時があるかもしれません。それでいいのです。なぜなら、あなたの無意識の心がずっと私が言った言葉をすべて受け取っているからです。そして無意識は私が話すことすべてを本当のことにしているからです。
これからは、あなたは前向きな考えやアイデアや感情からだけ影響を受けるようになるでしょう・・・次のような考えがあなたの心に思い浮かびます・・・私は落ち着いて、安らいでいて、リラックスしている・・・わたしは心地よくてくつろいでいる・・・どんなときも自分を失わない・・・自分の体に責任を持つ・・・そしていつも自分の体を上手に扱える・・・私が毎日の生活の中の活動に取りかかるときは、私の心は自分でリラックスできるし、平静になれる・・・(ノート:以下のパラグラフはセラピーに用いることができる)あなたの無意識の心、それに内なる心はあらゆるレベルで、いま問題の原因がなにであったかを、振り返りよく調べることができる。そして情報を評価し、あなたにとってよい解決を生み出す。
そしてあなたは、自分が一日一日よりよくなっていることに気付いて喜ぶでしょう。そしてこのことはずっと続くことだと確信することができる。
あなたの内なる心が、問題の原因が何か理解し、問題を取り除いても大丈夫だと理解した時は、右手の指のひとつが天井に向かって持ち上がり、指をおろしてくださいと言われるまで、上げたままになるでしょう。
(ノート:被催眠者の心が情報を振り返り、指が上がるのを待っている時は、問題に関する適切な処方となる暗示を与えなさい。)

○握手法

 

催眠家への指示

下記の催眠誘導は、3つの学習モードすべてを利用する。被催眠者は、聞くこと、見ること、感じることを通して反応するだろう。被催眠者を座り心地のよい椅子に座らせて始めること。

被催眠者へのことば

催眠状態を体験したいですか?(イエスの反応の後、あなた(催眠者)に向かって被催眠者に腕をのばさせる。まるでこれから握手でもしようというように)(被催眠者の手を右手で取り、被催眠者の腕がまっすぐ伸びていることを確認する)しばらくの間、私を見てほしいと思います。あなたの目の焦点が私に合い、私の声に耳をすますと、いろんなことが起きるのをあなたに許してほしいと思います。
(ゆっくり被催眠者の腕を上げ下げし始めよう。腕の上下の動きは、それぞれ3インチ(7〜8センチ)ぐらいがいい)。
私があなたの腕を上げたり下ろしたりしていると、眠気と重い感じがあなたの目やそのまわりに生じはじめてることに、あなたはもう気付いているのだろうかと思います。
あなたの腕を上げる度に、目の重たい感じがどんどん強くなっていきます。
目が閉じ始めると、目を閉じたままにしておきたい気持ちが、どんどん大きくなっていきます。
もう目はすっかり閉じようとしています。目がそうなるのにまかせましょう。そうなるまで待ってください。そう、今、目が閉じようしていることを感じてください。
(目が瞬きを始めたり、閉じ始めたりするのがいつか、特に注意を払うこと。それが、腕を宙に上げることで生まれる感覚を強化すべきタイミングを示すシグナルである。被催眠者はすばやく腕があがることと目が閉じることを結びつけるだろう)


○ハンド・トゥ・フェイス法

 

催眠家への指示

被催眠者に、椅子の腕に自分の腕を休ませて、できるだけ心地よくしてほしいと話そう。被催眠者にどのようにしてほしいか、相手の手をとり顔の前まで持っていって、示そう。手のひらは顔の方を向き、指は上へを向いて軽くそろえられている。手の高さはだいたい目の高さくらいがいい。被催眠者に目を閉じさせ、漸進的リラクゼーションを始めて、それからハンド・トゥ・フェイス誘導法に進んでいこう。

被催眠者へのことば

しばらくの間,私がお願いしたときに,あなたの手を顔の前に持ち上げてもらうつもりです。
指はそろえて上向きに伸ばした状態でお願いします。
それからあなたには目を開けて,手の上の一転を見つめてもらおうと思います。
目を開けて,開けつづけているのは難しく感じるかもしれません。
このことは,あなたはリラックスしていくのだから,まったく自然なことです。
私はあなたに試してほしい,目を開けてほしいと思うでしょう。
そして少し努力すれば少なくとも目を開けることはできるでしょう。
さあ,あなたがしなければならないことは次のことだけです。
あなたには全身をリラックスさせたままでいてほしいのです。
そして楽に目を開けて,手をこの位置に持ってきてもらいたいと思います。
リラックスしたまま,楽な感じで,指を上を向けそろえたまた,顔の前まで手を上に動かしてください。
さあ,目を開けようとしてください。
そして手の上の一点を見つめて,それに集中し初めてください。
一点に,その一点だけに集中していると,あなたの指は広がり離れていきます。
あなたは指を広げようとする必要はありません。
ただやろうとしたり指の動きを止めようとはしないでください・・・集中してください,そして事が起こるのにまかせてください。
さあ,指が広がって離れていくのを感じてください。
今,自動的に広がっていきます。
まるで,指一本一本にむすばれた紐に引っ張られて,指が離れていくような感じを感じ始めています。
もっと,もっと広がっていきます。
(指が広がってしまったら,次のやり方へ進む)さあ,目に眠気と重い感じが次第に強くなっていき,指が広がって行きますが,そのことで心配したりしないでください。
51それはとても普通な,自然な感覚です。
私は5から1まで数を数えると,その重い眠い感じがもっと強くなり,強くなり続けるでしょう。
(催眠深化技法を続ける)


○即効催眠

 

催眠家への指示

被催眠者の腕を取り彼らの体の前に伸ばし,手のひらが向かい合うように,いわゆる「前にならえ」のポーズを取らせることから始めよう。手と手の間の距離は6インチ(15センチメートル)くらいがいい。

被催眠者へのことば

もう腕を下ろして,体の横に戻してもかまいませんよ。少し時間をいただければ,あなたの腕をさっきの位置に戻してみたいと思います。するとわずかの時間で,深くて気持ちのよい催眠状態に入ることはとても簡単だ,ということがお分かりになるでしょう。よろしいですか?(催眠者はこれ以下の手順を進める前に,ここで被催眠者の同意を得ておかなければならない)。
さあ,目を閉じて,2,3回深く楽に息を吸ってください。吸ったら少し息を止めて,それからゆっくり息を吐き出してください。
さっきやっていただいたのと同じように,少しの間,あなたの腕を前に伸ばさせてもらいたいのです。私があなたに腕をこの位置に動かしてくださいとお願いしたら,それから目を閉じていただいて,私の簡単な指示についてきてほしいのです。
リラックスし,楽にしていただきながら,あなたがさっきしたように,腕を前に伸ばしてほしいと思います。
(被催眠者が腕を伸ばしたら,手のひらの感覚を6インチ(15センチ)に調整すること。
催眠者は人差し指を目の高さに上げて,被催眠者に指の動きを追ってほしいと指示する。被催眠者の手のひらの間を,ゆっくりと人差し指を動かすこと。)さあ,私の指に集中してほしいのです。少しの間,私の指は離れていくでしょう。そして私の指のどこか一点に集中してください。
(催眠者はすばやく指を下向きに動かすこと)うまくできてますよ。さっきから見てもらってる私の指の一点にずっと集中してください。
私は3から1まで数を数えます。1を数えたら,あなたの目を閉じてもらいたいのです。
3,あなたの目に,重い,疲れた感じがします。
2,目は潤んで,少し涙ぐみ始めています。
1とても重い目を閉じてかまいません,そうしたらリラックスしてください。
目を閉じても,あなたはあなたの手の間にある一点を想像することができます。
さあ,わたしが優しくあなたの手に触れると,私はあなたの手がいっしょに動き始めていることに気づきます。
しばらくするとあなたの手と手は触れるでしょう。手が触れると,全身から力が抜け,体がゆるむ感覚が広がります。あなたはとても深い催眠状態にはいっていくでしょう。手と手が次第に近づいていきます。両手が触れた瞬間,全身から力が抜け,体中が緩みます。あなたは特別な眠りに入っていこうとしています。もう準備ができていそうですね。手と手が触れた瞬間,あなたはとても深い特別な眠りに入っていきます。
(両手が共に動いたら,催眠者は自分の手の位置を,被催眠者の手の外側で軽く叩くことができる位置にもっていくこと。そして被催眠者の手を一緒に押していく。催眠者は,被催眠者の手が触れる瞬間を準備しなければならない。被催眠者の手が触れたまさにその瞬間に,すばやくきつく両方の手を打ち,眠れという指示を与えること。同時に,被催眠者の手を下げるように軽く動かすこと。こうすることによって,被催眠者の腰は前に曲がることになる。腕は被催眠者側にだらんとなるようにすること。)


○言葉を使わない催眠誘導

 

催眠家への指示

被催眠者を椅子に座らせ,両腕を自分の前に突き出させ,目の高さまで上にあげさせる。両腕は平行に保ち,両手は2フィート(60センチ)ほど離すようにする。催眠者は,被催眠者の前を,一方の端からもう一方へと行ったり来たりする。被催眠者の右腕の姿勢に小さな変化が生じたら,今度は逆方向へこれまでより余計に進み,左腕にも同様の変化が生じるようにする。
右手が少し内側にそして下向きに動くと,最初に右腕はひじのところで曲がる(右ひじは同時に外側が伸びる)。そうすると催眠者はさらに左へ動き,被催眠者の左腕の動きを同じように繰り返す。ひとつひとつの動きの後で,催眠者は数秒止まり,被催眠者の姿勢を観察する。こうすることで,催眠者は被催眠者の反応を観察することができるし,姿勢の新しい変化に合わせるための時間をかせぐこともできる。
もう一度,催眠者は被催眠者の右側へ動き,また右腕が少しさがるように調節する。そうしてこのことは,数秒以内に,左手に対しても行われる。腕と手の姿勢を調節することで,絶え間なく「内側へ下へ」というメッセージが伝達される。「内側へ」とは被催眠者自身の中へ,そして「下へ」とは意識のレベルをより無意識の方へ,という含意である。
!ついに,被催眠者の両手がほとんどくっつき合い,かろうじて膝の高さになったら,催眠者は,被催眠者の両手首をきつく握り,すばやく下に無理やり下げる。この瞬間,被催眠者の目は普通閉じるだろうし,被催眠者の頭は胸につくほど前にうなだれる。こうならなかったら,催眠者は後頭部を押すことで相手のまぶたを閉じることができるし,「内側へ下側へ行け。目を閉じて深いリラックスした,催眠状態にはいれ」という最後の力強い暗示を施すことができる。
一言も話すことなく,一連の姿勢を少しずつ動かすことで催眠誘導は達成された。こうして得られた催眠状態を取り去るためには,催眠者はただ逆に動けばいい。最初に,催眠者は頭を持ち上げる。そしれから両手を強制的に下げさせた前の位置まで持ち上げて戻す。次に,片方の腕と手を同時に逆方向へ動かす。逆方向の動きとは,外側へ,そして上へ,ということである。これは「自分から外へあがって来い,そして意識の状態に戻れ」というメッセージがある。最後に,両腕は,最初の位置に戻される。被催眠者の目は大きく開き,うなだれた頭も元の位置に戻る。
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○言葉を使わない誘導2

 

催眠家への指示

--言葉を使わない誘導法は、催眠を体験する気持ちがある人なら誰でもうまくいくだろう。催眠誘導の鍵のひとつは、催眠前暗示を正確に用いることである。以下は、催眠前暗示の一例である。
催眠者:催眠を体験したいですか?被催眠者:はい。
催眠者:あなたには、起こった現象をただ受け入れてほしいのです。何も起こそうとはせずに、けれど何かが起こるのを止めようともしないでください。よろしいですか?被催眠者:けっこうです。
まるで握手しようとするように、被催眠者の手を取ること。被催眠者のを引っ張りまっすぐにせよ。
被催眠者に直接あなたの目を見させて、ゆっくりとした腕の上げ下げをはじめる。動かすのは3〜4インチ(7〜10センチ)の幅で。自分の目は、被催眠者の目を凝視し続けること。
被催眠者が瞬きし始めたら、腕を上げるのを中断し、腕を下げる動きに切りかえる。そして少し腕を下向きに引っ張りはじめる。
被催眠者が再び瞬きするまで、腕の上げ下げの動きに戻る。もう一度、被催眠者が瞬きしたら、少し腕を下向きに引っ張る。
これを数回やるうちに、被催眠者の目は完全に閉じるだろう。腕から手を離して、被催眠者の横に戻そう。


○瞬間催眠法

 

被催眠者へのことば

私と向かい合って立ってください。いいですよ。さあ、一歩前へ。(右手を被催眠者の頭にまわして、頭蓋骨の下を支えるようにする。左手で、被催眠者の右ひじをつかむ)。
両足を近づけてください。もっと近く。いいですよ。深く息をしてください。(突然、両手を前に引き、被催眠者を自分の方へぐいっと引きつける。)(被催眠者の膝が崩れ始めたら)馬のようにバランスを失わないで立ったまま眠ることができます。それであなたの足はとても強いのであなたを下から支えます。あなたは立ったまま眠ることができます。
(馬の描写の代わりに)あなたの足はあなたの下で固く硬直しています。あなたがまっすぐ直立して立つように、あなたの体を支えています。


○手押法(瞬間催眠)

 

被催眠者へのことば

私の手の上にあなたの手を重ねてください。
私が4を数えたら、できるだけ強く手を下に押し下げてください。
1、私を見てください。
2、強く手を押し下げて、もっと強く押し下げて。
3、まぶたが重く、とろんとしてきて、眠気を感じます。
4、まぶたを閉じて、眠れ(手を引き抜く)(引き続き催眠深化を行う)


○許容的な即効催眠

 

催眠家への指示

被催眠者を真っすぐで高い背もたれのついた椅子に座らせること。

被催眠者へのことば

催眠の眠りに入る準備ができましたか?(被催眠者はただ「はい」と答える)目を閉じて,2,3回深く息を吸って,息を吸うごとにリラックスしていってください。あなたの右手を持ち上げますね。(握手をするかのように,被催眠者の手を持ち上げる)少しの間,目を開けて私を見てください。そうしたら私は3から1へ数を数えていきます。1を数えた瞬間,あなたの目は再び閉じ,全身から力が抜けて緩んでいくのを感じるでしょう。あなたはすばやく催眠の眠りに入るでしょう。わかりましたか?(ハイを意味して相手がうなずくのを待つ)。
さあ,目を開けて私が1を数えるまでは,目を開けていてほしいと思います。
3,あなたの目が重く感じます。目をあけていようとしてください。
2,1を数えた瞬間に,目は閉じてすばらしい感じを感じるかもしれません。
1,目を閉じて,眠りなさい。
(目が閉じた瞬間,眠りの命令を言うと同時に,きつく被催眠者の右腕を下向きに引っ張ること)。


○許容的な催眠誘導2

 

催眠家への指示

催眠状態に入る能力は被催眠者の能力であって,催眠者に関するものではないことを,理解しておくことが重要である。
催眠に入る能力が被催眠者の能力であり,催眠者の能力ではないということを受け入ると,誘導に費やす時間が被催眠者がすばやく催眠に入ろうとしている意志に関係していることがわかる。

被催眠者へのことば

さあ,3回深く楽に息を吸ってください。息を吐くたびに,あなたの目とその周りの筋肉をリラックスさせてください。
3度目の息をするまでに,あなたの目とその周りの筋肉は,もう開けたくないほどに,リラックスするでしょう。
さあ,3回深く楽に息を吸ってください。息を吐くときに目の筋肉すべてをリラックスさせてください。(被催眠者に3回息を吸わせて,それから先に進む)いいですよ。あなたはもう目を開けたくないくらいに目をリラックスさせました。目を開けようとしても開かないくらいに目をリラックスさせてください。目をリラックスさせたら,目が開かないことを確かめてください(テストしてもらう)。


○ミスディレクション法

この技法は、被催眠者があまりに緊張している場合や、無意識に催眠状態になりたくないと抵抗している場合に用いられる。この誘導のアイデアは、被催眠者の心から催眠というものをすっかり忘れておいてもらうことである。ここでいうミスディレクションは、眼球が裏返っている場合、目を開ける事は身体的に不可能という事実から来ている。
この技法がうまくいくためには、リラクゼーション練習に必要なものとして、ここで行うテストを説明することもできる。架空の練習を数週間の練習と高い想像力が必要なものと説明すること。これに続く誘導は「想像力テスト」と説明せよ。

 

被催眠者へのことば

座って楽にしてください(被催眠者を座らせ、リラックスさせる。
手は膝におかせ、体はリラックスして受動的になるように)あなたは想像力がある方ですか?(被催眠者が「はい」と答えるなら、そのまま先へ吸う無。
「いいえ」と答えるなら、「自分で知るのは難しいですね」とだけ言って、進む)。
言い換えると、目を閉じてある場面を想像することができますか、場面を視覚化して目の前にそれを見ることができますか、ということです。
(「はい」ならばそのまま続ける、「いいえ」ならばさっきと同様に対応する)。
結構です。
では、あなたの想像力をテストしてみましょう。
私があなたに視覚化してもらいたいものを説明しますから、そうしたら目を閉じてそれを想像してみてください。
その後、どんな風にを見えているかについて、いくつか質問をします。
(以下は、場面と質問の例である。
被催眠者が車を運転しないなら、被催眠者がよく知っているものについての場面と質問を使うこと)。
あなたは車の運転をしますか(「はい」ならこのまま続ける。
「いいえ」なら別のトピックを見つけること)。
結構です。
では、目を閉じて、車の前に立っているところを想像してください。
とてもはっきり見えるように想像できたら、うなずいてください。
(うなずくのを待つ)。
すばらしい。
あなたが見ている車の色は何色ですか?(答えを待つ)。
いいですね。
では、車のドアを開けて、運転席に乗り込んでください。
さあ、まっすぐ前をみてください。
スピードメーターは真ん中についていますか、それとも右側?あるいは左側ですか?(答えを待つ)。
では、スピードメーターは円形ですか、それとも半円形?それとも水平型ですか?垂直型ですか?(答えを待つ)。
いいですよ。
スピードメーターの針の色は何色ですか?(答えを待つ)。
オーケー、すばらしいです。
目を開けてください。
あなたはすべてをはっきり見る事ができましたね?(答えを待つ)。
では、別の方法で想像力をテストしてみましょう。
私たちは、一連のものについて、あなたの想像力を知りました。
今回は目を閉じたら、どこか泳げるところ、ビーチやプール、湖や海にあなたがいるところを想像してください。
さあ、まぶたを閉じてください。
さて泳げる場所にあなたがいるところを想像してほしいと思います。
あなたが、心の眼ではっきりとその場面を見る事ができたら、うなずいてください。
(うなずくのを待つ)。
いいですよ。
すばらしい。
さあ、その場所にいるあなたの周囲をみまわしてください。
そして周囲に何が見えるか話してください。
(説明を待つ)。
どこかに誰か人がいるのが見えすか?(「はい」ならば「誰か1人をえらんで、どんな人か説明してみてください」と言う、「いいえ」ならば、被催眠者が見ている者について、説明してもらう)。
(いよいよここからが、ミスディレクションをしかけるところである)。
とてもいいですよ、目を開けてください。
心の映像としてすべてをはっきりと見ることができましたね?このことは、あなたがとてもよい想像力を持っていることを示しています。
というのは、あなたに尋ねた瞬間に、あなたは場面を映像の中に作り出さなければならなかったのに、それができたからです。
さあ、最後のテストを行って、あなたが単純な一つの物について、どれくらいうまく想像することができるか試してみましょう。
目を閉じたら、あなたは満月を見ているところを想像してください。
まぶたを閉じてください。
あなたは車の外か中に座っていて、あるいは浜辺にいるところを想像してしださい。
寝室の窓から外を眺めているところでも構いません。
時間は夜で、あなたは満月を見上げています。
満月がもっと良く見えるように、まぶたは閉じたまま、眼球を上に向けてください。
まるで満月がこのあたりに見えるように(被催眠者の額に軽く触れる)、眼球を額の中央に向けてください。
(ペースを少し上げて、この段落の文を読むこと)。
眼球を上に向けてください。
そうすると、あなたはまぶたを固く閉じて、開けようとすればするほど、ますます固くまぶたは閉じます。
もう開けようとするのはやめて、ただリラックスして眠ってください。
気持ちよい感じが体中に広がっていくのを感じてください。
全身の筋肉と神経の緊張を解いて緩めてください。
楽に深く呼吸し、深いリラックスした感じを、頭のてっぺんから足のつま先まで、行き渡るようにしてください。
■催眠深化の技法(暗示)

○リラクゼーション法

 

被催眠者へのことば

さあ,体の力を抜いて,リラックスしてください。
ここちよい感覚が全身に行き渡るように。
全身の筋肉と神経の緊張を解いて、とても力が抜けて、もっとリラックスするように。
さあ、ぬいぐるみのように、腕の力は抜けたままです。
いいですよ。
今度は、リラックスした心地よい感じが波のように全身に広がっていくのを感じてください。
頭の、てっぺんから、足の、そう、つま先まで、心地よい波が広がっていきます。
そうして、すべての筋肉と神経がどんどん力が抜けて、どんどん緩んでいきます。
どんどん緩んで、もっとリラックスしていきます。
あなたは今、息をするたびに、ますますリラックスしていくのを感じています。
だるくて、ぼーとして、眠たげですね。
心はとても落ち着いていて、体はとてもリラックスしています。
あなたは今、鼓動がトクンと1つ打つたびに、ますますリラックスしていくのを感じます。
とても楽に呼吸するごとに、物音が耳に届くごとに、もっとリラックスしていきます。


○リラクゼーション法2

 

被催眠者へのことば

あなたの腕は、まるでぬいぐるみのように、力が抜けてだらんとしています。
あなたの手を持ち上げたら、力が抜けているので、手の重さをすべて私の指に預けてください。
私が手をはなしたら、リラックスした心地よい感じが波のように全身に広がっていきますよ。
手が落ちてきてあなたの体に触れたら、頭のてっぺんから、足のつま先まで、心地よいリラックスの波が広がっていきます。
手が落ちてあなたの体に触れると、あなたはそれまでの2倍リラックスしているのを感じます。
さあ、もう一度、もう一方の手でやってみましょう(もう一方の手で同じことを繰り返す)


○階段法

 

被催眠者へのことば

すぐにあなたをもっと完全にリラックスさせます。すぐに10から1へ数を逆に数えていきますよ。
私が10と言った瞬間に、あなたのまぶたは閉じたままになります。10と言った瞬間に、あなたは心の目で、自分が小さな階段の上に立っているところを見ます。
9といった瞬間に、あなたはもっとリラックスして階段を降ります。こうして数を数えるたびに、1段ずつ階段を降りていきます。階段の下には、大きな羽毛のベッドと心地よい羽毛のまくらがあります。
私が1といった瞬間に、あなたはふわふわした枕に頭をのせて、体をベッドにあずけて沈みこみます。
10、階段のてっぺんで目を閉じて。10。
9、リラックスして、降りていきましょう。98、もっと心地よい、落ち着いた、平和な場所に下りていきます、876、下っていきましょう5、階段を降りながら、もっとリラックスしていきます43、息を深く吸って吐いて2、次の数1をいうと、あなたはベッドに体をなげだして横たわります、もっと落ち着いて、もっと平和で、もっとリラックスして1、ベッドにからだをあずけます。もっと静かに、もっと平和な状態で、リラックスするように、体のすべての力を抜いて体をゆるませましょう。


○腕固め法

 

被催眠者へのことば

腕を持ち上げて硬く力をこめてください。こぶしを握って(被催眠者がこのポーズをとれるように手助けし、進みます)。いいですよ。まるで鉄の棒のように、硬く、力強く。
とてもいいですよ。私があなたの額に触れたら、あなたの腕はだらんと垂れ下がって、あなたはもっと深く眠りに入っていきます(額を軽くたたく)。


○再誘導

 

被催眠者へのことば

あなたにひとつの合図を教えましょう。それを使えば、あなたはこれまで以上に簡単に催眠に入ることができます。
1から3へ数を数えます。3を数えた時、あなたは目を開きますが、まだ深くリラックスしたままです。私が「さあ、眠りましょう」と言って指を鳴らしたらそれが、あなたがまぶたを閉じて催眠にどんどん深く入っていく合図です。
いいですね。1,2,3。目を開いて。(指を鳴らす)。
!さあ、眠りましょう! 目を閉じて、深い深い眠りに入っていきますよ(数回繰り返す)。


○解催眠

 

被催眠者へのことば

(セッションのタイプに応じて、あなたはこの段落を飛ばしてもかまわないかもしれない)。ゆったりしたリラックスを生み出す方法をあなたが使う度に、あなたは前よりもっと簡単に、もっとすばやく、そしてもっと深くリラックスします。リラクゼーションはあなたが簡単にトランスを体験する技術のひとつなのです。
さあ、私は1から5へ数を数えていって、それから「すっかり目覚めます」と言うでしょう。5を数えた時、あなたの目は開き、そうしてあなたは完全に目覚め、静かな、落ち着いた、リフレッシュしたリラックスを感じるでしょう。
いいですよ。1、ゆっくり、おだやかに、ゆったりと、あなたは再び、意識の方へ向きを変えて進みます。
2、あなたの体と筋肉と神経のそれぞれが、力を抜きいて緩みリラックスします。そしてあなたはすばらしい感じを感じます。
3、頭からつま先まで、あなたはどこも悪くなく完全である感じを感じています。身体的にも完全、精神的にも完全、感情的にも静かに落ち着いています。
4を数えると、あなたの目は明るい輝きを感じ始めます。次の数を数えたら、まぶたは開き、すっかり目が覚めて、静かで、安らぎ、リフレッシュしてリラックスした感じ、元気が出てくるような、エネルギーに満ちた感じを感じます。
5、さああなたはすっかり目覚めました。まぶたは開いています。深く息を吸って、肺をいっぱいにして、伸びをしましょう。



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