別名 | |
用途 | 全身をリラックスさせる 心身の疲れをすっきりとる 脳波や皮膚温、呼吸数、血圧、胃腸の機能などが好転する
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用例 | 不安や恐怖をやわらげたいとき 不安や恐怖にチャレンジするとき いらいらや不快感から解放されたいとき 落ち着きをとりもどしたいとき 頭を十分にやすませたいとき 精神集中が必要なとき 不眠や緊張性頭痛に苦しむとき 排便や排尿をがまんしたいとき
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使用法 | 自律訓練法は,軽く目を閉じた状態で,決まった言葉(言語公式)を心の中で繰り返すもの。 言語公式には次の7種類。ひとつができてから、次の公式に進むとよい。とりあえず第2公式までマスターすれば、使い物になる。
背景公式 「気持ちが落ち着いている」 第1公式 「右腕が重たい→左腕が重たい→両脚が重たい」 (重感公式) 第2公式 「右腕が温かい→左腕が温かい→両脚が温かい」 (温感公式) 第3公式 「心臓が規則正しく打っている」 (心臓調整公式) 第4公式 「楽に息をしている」 (呼吸調整公式) 第5公式 「お腹が温かい」 (内臓調整公式) 第6公式 「額が心地よく涼しい」 (額部涼感公式)
(終了時)消去動作 ・両手を強く握ったり、開いたりする ・両手を組んで大きく伸びをする ・首や肩をよく回す ・その他、からだをほぐして自己催眠状態からさめる。
背景公式は時間をかけずに4,5回繰り返す。 スタートをきるための準備段階なので、気持ちの状態を確認できたら、次の第1公式へ進む。 (必ずしも落ち着かなくてもいい。意識を気持へ向けるのが目的。今日はちょっとイライラしてるな、というのでも確認できれば、次へ進む)
第1公式〜第6公式については、反応が得られたら、次へ進む。 ひとつの公式にかける時間は2〜3分でよい。逆に言うと、2〜3分で反応が出なければ「練習はおしまい」にすること。「今日は日がわるいや」とでもおもって、次の日にまたやればいい。 できないのに拘泥して「頑張って」しまうと、かえって気負ったり緊張したりして「できない→緊張→できない→緊張……」の悪循環に入ってしまう。 時間をおいて、1日3回くらいチャレンジするのは可。
ひとつの公式について2〜3分で反応が得られれば、次の公式へ進む。 毎日コツコツやっていくと、第6公式まで2〜3分でできるようになるだろう。とりあえずの目標は第2公式。ここまでいけば、リラックスを実感できるし、リラックスできると自信も持てる。先にマスターするには結構な時間がかかると言ったが、毎日練習して2〜3週間で第2段階までいければ筋がよい。
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解説 | なれると、目をあけたまま右腕重感を感じて、不安を抜け出したり、緊張を脱したりできる。 練習システムが整っているので、努力しやすく、また努力が身を結びやすい。努力して身につけるので、「はじめての事態に接して不安/緊張を感じそうだ」という場合にも「オレにはあれだけ練習した自律訓練法がある」と自信をもって立ち向かえる(自信は費やした汗に比例するのである)。
自律訓練法をしない方がいい場合(飛ばした方がいい公式)
第3公式(心臓調整練習) 心臓に疾患のある人、心臓が気になる人はこの練習を省略。不安や緊張を高めてしてしまう恐れあり。
第4公式(呼吸調整練習) 気管支喘息,過換気症候群など呼吸が気になる人はこの練習を省略。不安や緊張を高めてしてしまう恐れあり。
第5公式(内臓調整練習) 糖尿病の人は,薬物療法との併用で低血糖になる可能性あり。主治医と相談した上で実施すること。そうでない場合には省略すべし。 胃・十二指腸潰瘍、あるいは強い痛みを伴う胃炎の場合は、治療が終わってから実施すること。そうでない場合には省略すべし。 また妊娠中の人は省略(特に8ヶ月以上)。妊娠中毒症をひきおこす可能性あり。
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参考文献 | 佐々木雄二編著『自律訓練法』(講座サイコセラピー ; 3)(日本文化科学社, 1989)
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