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認知行動療法 3種の神器(ツール)+その他のツール

 活動記録表コラム(思考記録表)損益比較表

 ぐずぐず主義克服シート不安(恐 怖)階層表(週間版)趣味・娯楽リスト最高最悪 シート対人躊躇対策シートバー ンズ・チェック・リストコーピング・カード
  ・マイナス思考をプラスに反応的行 動から主体的行動へシート心配事をできることにシート問題解決シート行動実験シート行動支援シート中核的信念シート
機能分析シート


 認知行動療法は書くことにはじまり、書くことに終わります。
 ここでは最もよく使う3つのツールを紹介し、すぐに使えるフォーマットを用意しました。
 その後ろに、便利に使えるツールを並べてあります。オリジナルのフォーマットを作るのにも参考になるかもしれません。

フォーマットはエクセル・ファイル(.xls)になっています。
 使用にはMicrosoft ExcelやOpen Office(無料で使用可能)のようなエクセル・ファイルを扱えるソフトが必要です。
 見て、印刷して印刷するならMicrosoft Excel Viewer(無料で使用可能)も使えます。

 Open Officeの情報やダウンロード:http://ja.openoffice.org/
 Microsoft Excel Viewerのダウンロード:http://office.microsoft.com/japan/downloads/9798/xlviewer.aspx

   


簡単な説明
ダウンロード
活 動記録表
活動記録表は、 基本的に1日(24時間)分の「活動」等を記録できるようにした表です。
ダウンロードできるものは、1枚で1週間分が記録できるようにタテに時間、ヨコに曜日(日付)となっていたりします。
こんなのです(↓)。
日常活動記録表の図
   (クリックすると拡大できます)
たぶん手帳のウィークリーで代用できます(ただ大きめの方が書きやすい)。

 セルフ・モニタリングは、認知行動療法の大きな武器です。
 認知行動療法をはじめたら、ぜひ記録表をつけましょう(すべての認知行動療法はセルフ・モ ニタリングからはじまります)。
 減らしたい問題(症状)や行動、それに思考や気分、また増やしたい/続けたい行動について回数や強さを記録していきます。
 また活動をいっしょに記録していくことで、症状と生活のパターンや関係がわかってきます。


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action.xls
コラム(思考記録表)
 2コラム
 3コラム
 5コラム
 6コラム
 7コラム
 コラム法または思考記録表は認知行動療法でもっともポピュラーなツールです。
 ですが、認知行動療法をフルコースに例えると、中盤から終盤に出てくるとても濃い メニューです。
 (注意!!)(とくに認知行動療法をセルフヘルプでやろう としている方へ)
いきなりコ ラム法をやるのは、ビフテキを食わせるようなものです。性急な認知行動療法は、やる者の負担と絶望を増すばかりです。コラム法がとくに危険 という訳ではありませんが、ムリはせずにゆっくり進みましょう(たとえば、最初は出来事と感情の記録だけを数日やるとか、自動思考を切り出すことができる まではそれに専念するとか)。

 思考(認知)のパターンを変えていくために、現在の思考(とくに改善したい感情や行動に関連しているもの)を書き出し、それに対する代替の思考をつく り、これも記録表に書き出します。

「代わりの思考」を頭の中だけでつくろうとすると、よけいに苦しくなることが多いです。紙の上に書き出して対処する方が思考を客観視でき、また整理も簡単 になります。

関連した出来事、感情、行動を一緒に記録する詳しいもの(6コラム、7コラム)から、思考と代わりの思考だけを書くシンプルなもの(2コラム、3コラム) まで用意しました。
                                       →詳しい説明へ

2colm.xls
3colm.xls
5colm.xls
6colm.xls
7colm.xls
損益比較表
活動記録表やコラム・思考記録表が毎日やるものだとしたら、損益比較表(バランスシート)は、認知行動療 法の「頓服薬」です。
行動を前にして躊躇したり、感情に襲われて混乱したりしたときに、用いましょう。

どんな行動・思考・感情にも、両面(よい面とわるい面)がありますが、ひとの思考はどちらか一方の面に片寄ることが多いです。
いま問題になっている行動・思考・感情について、メリットとデメリットを書き出してみましょう。
あなたを苛むわるい感情が、一方ではあなた(のどこか一部)を守っていることがあります。
行動に二の足を踏むとき、よい面だけを見ていると「なぜできないんだ?」と自分を責め立て苦しめることになるかもしれません。
損益比較表(バランスシート)は、物事の両面を見るのに役に立ちます。
とくに行動・思考・感情が板挟みになったり身動きとれなくなった状態を脱する手助けとなるでしょう。
                                       →詳し い説明へ
b_s.xls

 書くことの意味は、大きくわけて3つあります。

  1. 自分の感情や思考、行動を書くことで、客観視できる
  2. 感情を書き出すことは、それだけで気分を落ち着かせる
  3. 書き出すことで、自分の思考や行動をよりコントロールしやすくなる


認知行動療法 その他の便利もの

 認知行動療法の技法は100は下らないと言われます。
 フォーマットで提供できるもので、有用だと思われるものを集めていきたいと思います。
 

簡単な説明
ダウンロード
ぐずぐず主義克服シート
 「やらなきゃいけないのはわかってる、でも……」ということ、多くないですか?
 後回しにすればするほど、ますます重くのしかかり、ますます取りかかるのがおっくうになります。
 やろうとしている作業を細かく分割し、それぞれについて「困難さ」と「満足度」を予想してみましょう。そして1ステップごとに、実際の「困難さ」と「満 足度」がどうだったかを確認してみましょう。

 やろうとしている作業を細かく分割することは、「サラミ法」としても知られています。サラミ・ソーセージを丸ごとかぶりつくのは大変ですが(普通そんな 食べ方はしません)、「薄く」切っていることで食べやすくなります。
 もうひとつ「困難さ」と「満足度」を予測してみると、「ぐずぐず主義」に陥っているときには、「困難さ」は過大に「満足度」は過小に評価されているもの です。これを実験(実際にやってみること)によって、ひとつずつ反ばくすることになるのです。分割したそれぞれはそれほど困難でもなく、一方でやり終えた 満足度は思った以上にあることを、ひとつひとつ確認していくことで、「ぐずぐず主義」は認知においても、また実践においても、克服されることになります。
 長い間手をつけられず、そのままになっている仕事や作業があれば、ぜひ一度試してみて下さい。単なる表が、意外な効果を発揮することがわかると思いま す。

                                       
procrast.xls
不安(恐怖)階 層表(週間版)
不安や恐怖の治療にエクスポージャー(暴露法)が大きな武器ですが、い きなり大きな恐怖に直面するのでなく、より容易なところからチャレンジするために、まず不安(恐怖)を引き起こすものを、弱い順に並べた階層表を作りま す。
このシートは、1週間単位で、階層表のどの段階に暴露したかを記録して行けるものです。
d-hierarchy.xls
趣味・娯楽リスト
 「楽しいことなんてひとつもない」「なにをしていいかわからない」なら、こんなリストを眺めてみてはど うでしょうか?およそ人間が楽しみにする行動をリストにしたものです。
 毎日、どの行動をやったか、記録していくこともできます。楽しみの活動が増えれば増えるほど、下向きな気分が改善されていくのがわかるでしょう。

 毎日、どの行動をやったか、記録していくこともできます。楽しみの活動が増えれば増えるほど、下向きな気分が改善されていくのがわかるでしょう。
 しばらく記録していくうちに、よく行う活動が何か、パターンのようなものが見えてきます。これまでやったことのなかった娯楽を取り入れ、自分のレパート リーを増やすのもよし、近頃やっていなかった娯楽を思い出してみるのもよし。「楽しい活動」は、心の栄養になります。



recre.xls
最高最悪シート
心配事を「最高のケース」「最悪のケース」「最もありそうなケース」と 考えることで、偏りの少ない未来想定ができます。
best_worst.xls
対人躊躇対 策シート
 「@@さんに%%のこと、頼まなきゃ行けないんだけど、もし断られた らどうしよう、ぐずぐず……」という状態になってしまったときに使うシートです。
 働きかけの目的、危惧されること、生起しそうな確率、その根拠となる事実、働きかけ助けになる事実/情報などを埋めていって、いちばんいい「働きかけの 表現=シナリオ」を考えます。予想される結果を(ベストの場合)(ワーストの場合)(最もありそうなのは)と3段階で予測するのもミソです。
anthropohobia.xls
バーンズ・ チェック・リスト
名著「いやな気分よ、さようなら』のバーンズさんがつくったうつ度、不 安度をチェックするシートです。
毎日記憶できるように、日付けが入れられるようになっています。
burns_scale.xls
コーピング・ カード
日頃コラムをつくっていると、何度も出てくるパターンがあります。
このシートに自動思考と合理的思考を記録しておいて、いざという時さっと見れるコーピング・カードづくりの参考にします。
コーピング・カードは、自分の認知療法トレーニングの持ち歩けるエッセンス、自作の認知的お守りです。
coping_card.xls
マイナス思考をプ ラスに
認知療法で使うコラム法の簡易版です。
minus_plus.xls
反応的 行動から主体的行動へシート
「受け身な自分」を「主体的な自分」にするためのトレーニング・シート です。
自分を動揺させる事件が起こっても、それに反応するだけか、それとも自分をもって主体的に対応できるか。
どう思われているかでなく実際はどうあったか、どんな地位にいるかではなく何を為したか、で考え行動するヒントになります。
reactive_active.xls
心 配事をできることにシート
まず心配事を書き出します。そして、それに対して自分ができることをで きるだけ書き上げます。するとあら不思議、少しは気分が落ち着いてきます。そして「できること」をやってみた「結果」は記録しておきましょう。貴重な蓄積 になります。
「心配事」をきっかけにして、自分の考えや信念を変える「行動実験」を促すシートでもあります。
anxienty_ability.xls
問題解決シート
問題を前にして、不安をよぶ自動思考を、あらかじめ合理的思考で封じて おいてから、できるだけ多くの解決策を考えます。
solution.xls
行動実験シート
いやな気分や、やめたい行動をつくりだす自動思考、コラム法でつくった 新しい考え(合理的思考)、なかなか頑固な信念やスキーマ、どんな考えでも、行動実験に掛けることができます。
古い考えを変えるためにも、新しい考えについての自信を深めるためにも、認知を変えるのに現実に行動することほど強力なものはありません。
「頭ではわかっているが、いまいち信じ切れない」といった場合など、実験をつうじて新しい考えに確信を持てるようになれば、気分は改善し安定していきま す。
この行動実験シートは、行動実験を計画するなかで、生じそうな問題やそれへの対処法を考えながら、まず実験をイメージすることからはじめて、実験を実行に 移すようにデザインされています。
また実験が「うまくいかなかった」場合(古い考え通りだったり、新しい考えを強めなかったりした場合)にも、その結果をもとにして、もっと現実に適応した 考えを導き出すことができます。
ActExp.xls
行動支援シート
ある行動が起こらないのは、つぎの3つの原因が考えられます。(1)や り方がわからない。(2)行動をじゃまする障害がある。(3)動機不足、やる気が起きない。
このシートは行動が起こせない原因をひとつずつ解決していくシートです。(1)やり方がわからない→やり方を調べる、(2)障害がある→障害を取り除く、 対策を打つ、(3)動機付けが不足している→その行動によるメリット(デメリット)を確認。さらに実施日時を明記し、行動の前後で困難度と満足度を記入す るようになっています。
ActHelp.xls
中核的信念シート
自動思考の背景にある、(なかなか変わらない)中核的信念をかえるため のシートです。
コラム法その他の認知療法のトレーニングを重ねてから、チャレンジしてください。
core_brief.xls
機 能分析シート
アルコール依存や薬物依存などの依存症の場合、本人も「飲んじゃ行けな い」と思いながらも、結局飲んでしまう。行動分析の観点からすると、ある行動は、その後に強化子(好子)があるから強化される。飲酒の場合は、アルコール を摂取することで、その後にそれまでの辛い感じが消え(つかの間であれ)いい気分になるからこそ、飲酒という行動は強化される(繰り返される)。しかしこ の「いい気分」はつかのまであり、その後にはより辛い目が待っている。しかし行動を強化するのはその直後の強化子(好子)なのである。ここに依存症が維持 されやすく、抜け出しがたい理由がある。

 先行事象(A:Antecedent events)→行動(B:Behavior)→結果事象(C:Consequences)

このシートは、依存症の問題行動について、A:先行事象(きっかけ、思考、感情)とB:摂取行動とC:直後の強化子(好子)、そして結局たどりつく悲劇的 な結末を記録することで、依存症者自身がどういった反応と行動のワナにかかっているかを自己発見し、「A:先行事業」や「C:結果事象」を変えることで、 依存症の悪循環から抜け出す助けとなるものである。(直接「C:結果事象」を変えることは難しいことが多いので(罰で行動を律することは意外に難しい)、 まず「A:先行事象」を標的としてコントロールしようとすることになることが多い)。
function_analysis.xls
マルチモーダル(多面的)・トラッキング記録表
 多次元様式(マルチモーダル)行動療法では、“人格”と精神障害と を、次の7次元の様式(modal)からとらえる。7 次元の様式とは、BASIC IDと頭文字がまとめられている、B=Behavior(行動)、A=Affect(感情)、S=Sensation(感覚)、I=Imagery(想 像、イメージ)、 C=Cognition(認知)、I=Interpersonal relationship(対人関係)、 D=Drag/Biological factors(薬物/生物学的要素)である。
 自分の問題が、どの様式 (modal)から順に“点火”していくかを評価するトラッキングという方があるが、この表はそれを記録する者である。例えば、あるクライエントは不快な 想像(Imagery)を嘆き、つ づいて破局的な考え(認知:Cognition)が起こり、嫌悪感(Affect)を感じる。それは胸の動機や震え(Sensation)の引き金とな り、最終的に引きこもりという行動(Behavior)にいたるかもしれない。
 こうした“点火”順(トラッキング)を記録し、自分で確認することで、どの様式 (modal)を変化させることで、問題の維持や悪循環を避けたり、症状を緩和したり、悩みを軽減することができるか、考えることができる。
multimodal.xls

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