問題対応セルフトーク

別名問題解決のステートメント
用途問題解決能力を向上させる

あわてずパニックにならず難問に取り組む

一見困難な問題を多面的に見ることで解決を導く

用例どうしようもないと感じるとき

やりたいことがあるのに「やり方」がわからないとき

やるべきことがあるのに「やり方」がわからないとき

仕事や義務に圧倒されるとき

使用法●問題解決は次の5つのステップにまとめられる

1 問題に向かい合う

2 問題を定義し明確にする

3 解決案をたくさんつくる

4 意思決定

5 解決法の実行と検証

それぞれのステップのためにいくつかのセリフが用意されている。

カードにするか手帳に挟み込んで、常に持ち歩いて使うことを習慣にする

のが望ましい。

1 問題に向かい合う

「いやな感じがする。懸念はなんだ?」

  「感情は問題の存在を示すアラームだ」

  「問題の存在を察知することがより良い解決の第一歩だ」

  「問題の場面で自分がどんな感じ方をするか記録せよ」

  「問題が存在することは、自分が人間であることを示す」

  「問題を解決することは、自分が幸せであることを意味する」

2 問題を定義し目標を明確にする

「何が障害になっているのか?」「自分はどうしたいのか?」

  「まず立ち止まり事実を集めよう」

  「考えられる可能性をすべて具体的な言葉で書き出そう」

  「関係ある情報とない情報を区別せよ」

  「事実と仮説を区別せよ」

  「問題(障害・葛藤)をもたらす要因を書き出そう」

  「最後に目標をはっきりさせよう」

  「非合理的で非現実的な目標を取り除こう」

3 解決案をたくさんつくる

「わたしは何ができるのか?」

  「ばかげたアイデアをまず出そう」

  「方向性をいくつも出そう」

  「方向性ごとに、解決策を複数出そう」

  「ダメ出しは後回し」

  「解決策を組み合わせよう」

  「マイナーチェンジも数のうち」

4 意思決定

「なにが起こりうるか?」「私の決定はなにか?」

  「案それぞれの目標達成の可能性を%表示せよ」

  「案それぞれのコストを大・中・小で表示せよ」

  「案それぞれの効果を大・中・小で表示せよ」

  「自分と社会、短期と長期の影響を考えよ」

  「実施しやすい案を選べ」

5 解決法の実行と検証

「さあ、やろう!」「うまくいったか?」

  「選んだ案をテストして、結果を評価せよ」

  「うまくいかないなら別の案を試せ」

  「それでもうまくいかないなら必要なステップまで戻れ」

    「問題の定義に、問題はないか?」

    「解決案に偏りはないか?」

    「意思決定は適切か?」

解説 一般的な/汎用の問題解決の手法が、うつ病などの感情障害やその他の心理的疾患を改善するのに役立つことが分かっている(『うつ病の問題解決療法』参照)。

 認知療法などによれば、「認知の歪み」が感情障害やその他の心理的疾患を引き起こしていると考えるが、問題解決手法は、人間の問題解決能力を底上げする効果があります。またその手法を構成するいくつかは、直接「認知の歪み」がもたらす弊害を修正する効果もある。「認知の歪み」は一方では感情/気分の悪化に直接つながるとともに、一方では問題解決力を低下させ現実的な問題を蓄積/悪化させることで、気分/感情を悪化させる悪循環に人々を引き込む。

 問題解決法は、こうした悪循環から人を抜け出させるのに有用である。

 問題解決法の利用には高い知性が求められるように思えるが、実際は子供や知的ハンディキャップをもつ人にも習得可能である。精神障害の有無に関わらず、有益な技能であり、他の心理療法の効果を高めることも知られている。

参考文献『うつ病の問題解決療法』アーサー・M. ネズ, クリスティン・M. ネズ, マイケル・G. ペリ共著 ; 佐藤正二 [ほか] 訳 ; 高山巌監訳. -- 岩崎学術出版社, 1993. -- (認知療法シリーズ)


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