認知療法FAQ(Frequently Answered Questions)

別名
用途認知療法をはじめたいとき

認知療法について知りたいとき

用例
使用法Q1.書かなければいけませんか?

A1.書いた方が良いです。ほとんど「治療=書く事」です。 合理思考の熟達化が必要なので、まずは書いてみてください。 最初からうまく合理的思考を導き出せる事が難しいからです。書いておくと、どこがうまくいっていないのかを検討することができ、次第に合理的思考をうまく作れるようになります。

Q2.紙に書くのと、コンピュータなどに入力するのとどちらがいいですか?

A2.写経とちがって、効果はまったく同じです。このスレにも両方の派がいらっしゃいます。

   紙に書くのは手軽でいい、後で加筆がしやすい、ふりかえりやすいなどのメリットがあるそうです。またコンピュータへの入力は、後で整理・編集がしやすい、パソコンは毎日触っているから気楽に書ける、などのメリットがあるそうです。お好きな方でやってみて下さい。

Q3.似たようなのに論理療法ってあるんですけど、認知療法とどちらがいいんですか?

A3.どちらもほとんど同じです。気に入った方でどうぞ。

Q4.どの程度、効果があるのですか?

A4.研究によると、病気にもよりますが、65%〜80%ぐらいの治療効率があると言われています。薬物療法より高いと言う人もいます。薬物療法との併用はより効果的だと言われています。

Q5.副作用はありませんか?

A5.自動思考や感情を書いてる途中や読み返す時に、自己嫌悪や怒りその他の悪感情を覚える人もいます。これが副作用です。それがつらくてやめてしまう人もいます。

Q6.ひとりでも認知療法できますか?

A6.指導者とやるのが理想ですが、このスレにも本など読んで一人で取り組んでいる人が何人もいます。指導者がいた方がよい理由は、自分自身に対する「認知の歪み」は自分では気付きにくく、したがって合理的思考を見つけるのに手助けがあった方がよいからです。したがって指導者が得られない場合も、周りの信頼できる人の意見を聞いたり、このスレを活用するなりして、自分の「認知の歪み」に取り組むのがよいかもしれません。

Q7.ひとりでやるのは不安です。どこで認知療法にかかれますか?

A7.認知療法を受けられるところは、日本ではまだまだ少ないです(認知療法の実施機関リスト)が、少しずつ増加中です。

Q8.認知療法は、どんな病気に効きますか?

A8.認知療法は最初、うつ病の治療のために開発されましたが、その後、パニック障害、強迫性障害、精神分裂病、人格障害、薬物乱用・薬物依存、摂食障害などなど、さまざまな適用が広がっています。

Q9.認知療法に向いている人、向かない人というのはありますか?

A9.どんな療法でもそうなように、向かない人もいるようです。「悩んでいる本人」が主体になる療法なので、いろんな理由で認知療法に取り組めない人には向かないといえると思います(とくに一人でやる場合はそうです)。どんな人が向くのかはっきりわかりませんが、自分を知的に解明することが好きな人、心理学が好きな人に効果が高い、というウワサもあります。

Q10.ひとりではじめるには、どの本を読めばいいですか?

A10.一番人気は、

『自分を愛する10日間プログラムム認知療法ワークブック』デイビッド・D. バーンズ (著)

価格:¥1,800 ; ISBN: 4478710406 ; (2001/07/01)

です。プログラム通り、順々にやっていけるところがよいです。

3番人気はたぶん、

『どんなことがあっても自分をみじめにしないためにはム論理療法のすすめ』アルバート エリス (著)

価格:¥2,500 ; ISBN: 4761005696 ; (1996/07/01)

かもしれません。論理療法のセルフヘルプものです。内容だけでなく、著者のガッツ(気合い)も盛り沢山です。そこが好き嫌いがでるところかもしれませんが、ハマればOKです。

Q11.合理的思考(擁護的思考)をつくってみたのですが、これでいいのかよくわかりません。

A11.その考え(思考)でまだ「苦しい」ならうまくいってない証拠です。その考え(思考)で「苦しくなくなった」ならうまくいった証拠です。

Q12.どうやって合理的思考(擁護的思考)を見つければよいのでしょう?

A12.やり方はいくつもあります。たとえばバーンズ 『自分を愛する10日間プログラム』には15の方法があがってます。基本は、歪んだ考えを正すというよりも、自分にとって楽な考えに置き換える、ことです。

Q13.認知の歪みリストを見ているのですが、どの認知の歪みにあてはまるのかよくわかりません。あるいはあてはまるものがいくつもあって、どれを選んでいいのかわかりません。

A13.あくまで「合理的思考」をつくる手助けをするものなので、あまりこだわらなくてもかまいません。あてはまるものがいくつあってもよいし、まったくないなら単に「認知の歪み」とか「いつものやつ」ということにすればよいでしょう。

Q14.合理的思考(擁護的思考)って利己主義(もしくは御都合主義)じゃないですか?

A14.そういう時もあります。でも、論理療法のエリス風にいえば「「利己主義はいけない」ってどこに書いてある?」。認知療法的には「利己主義はいけない」というのは「すべき思考」(という認知の歪み)です。もちろん、自分で満足いくように(すなわち利己的にw)他己的な行動や思考を選択することだってできます。要は「他己的な行動をしなきゃならないと考えて苦しむ」状態から抜ける方法のひとつを、認知療法は提供する訳です。

Q15.「認知の歪み」っていいますが、取り替える前の思考(自動思考)が「現実的」だったら、合理的思考(擁護的思考)をつくってもかわらないんじゃないでしょうか?

A15.合理的思考(擁護的思考)は、別に「正解」じゃありません。「別の考え」と言い換えてもいいくらいです。「別の考え方はできないだろうか」という試みは、時に思考のブラックホールから抜け出すのを助けます。また、たいていのうつの人は、自分の考え(自動思考)を「現実的」で「変えようがない」と思っています。なので、認知療法を行うカウンセラーも「(あなたの考えは現実的かもしれませんが)別の考え方はできないでしょうか」と、しばしば問いかけたりします。

Q16.薬物療法と認知療法は併用してもかまわないのですか?

A16.併用OKです。その方が効果が高いという話もあります。 一般論として激ウツの人には、薬物療法から入って、認知行動療法 の併用が入り、減薬/断薬期間を認知行動療法で支え、治療終了という形が理想的だそうです。

Q17.認知療法をみっちりやれば、二度とうつ・不安になることはありませんか?

A17.いいえ、そんなことはありません。しかし、認知療法を通じて、うつや不安に陥った時の対処法や、そうなりにくくする予防法を身につけることができます。

Q18.認知療法をやってみて気付きました。私の認知はどうやら歪んでいるようです。私はダメなやつです。落ち込みました。

A18.認知の歪みに気付いた→がっくり、というのはよくある話です。落ち込んだまま(合理的思考をつくろうと)考え込んでも泥沼にハマりがち。そんなときは別の(気晴らしでも)するか、すなおに寝てしまうかしましょう。つづきをやるのは、後からで十分です。そして、泥沼に落ち込むのを回避できた自分を誉めてやりましょう。

Q19.合理的思考をつくってみましたが、あまりにも御都合主義な、自分に都合がよい考えになってしまいます(はずかしくて消しちゃいました)。

A19.「自分に都合良くおもいたいだけだ」と浮かんでくる心のつぶやきこそ、ネガティブな自動思考です。「自分に都合よく思いたいだけだと思いたいだけでしょ」とヘビの尾を飲み込ませてみては?いずれにせよ、感情的決めつけです。認知の歪みリストを読みなおすかして、そのループから脱してみてください。

Q20.認知療法の本はたくさん読みました。よい方法だと思いますが(理屈はアタマで理解できたのですが)、未だに実行するには至ってません。どうすればいいでしょうか?

A20.やれるときにやれるだけやればよいです。つづければ続けただけ、ちょっとだけならちょっとだけ効果があります。効果が感じられれば、自然に続けていけると思います。

解説
参考文献

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