自分に声をかける

別名自己教示法
用途ネガティブな感情への免疫をつける

用例恐怖に苦しむとき

怒りに我を忘れるとき

使用法自己教示(self-instruction)というのは、声に出したり、あるいは心の中 で、自分自身に適切な言葉を言い聞かせることで、問題を改善しようとする技法。

(そのための出来合いの「せりふ集」)

恐怖,恐怖症への対処リスト

《恐怖に備えて》

○何をしなければいけないか?

○それを処理するプランを作ることができる。

○そのために何ができるかに集中しなくてはいけない。その方が不安になるよりいい。

○自分について否定的なことは言わない。理性的に考えなければ。

○心配するな。心配は助けにはならない。

○たぶん不安だと思っているものは,本当は自分の恐怖に直面しようというファイトなんだ。

《恐怖に直面して》

○元気をだせ。この挑戦を受けて立つことができる。

○自分はできる。理性的に考えて.恐怖をはねつけられる。

○一度に一歩ずつ。状況を処理できる。

○恐怖について考えるな。自分のすべきことだけ考えよう。

○注意を散らすな。

○この不安は,先生が感じるだろうと言っていたものだ。

○これは対処の練習をいかせという合図だ。

○この緊張は味方になる。対処の手がかりだ。

○リラックスしよう。コントロールできている。ゆっくり深呼打及をして。いいぞ。

《恐怖の感情に対処して》

○さあ,恐怖がやってきた。ひと息つこう。

○現在に焦点をあてて。やるべきことは何か?

○自分の恐怖を0から10のスケールで測って,変化を見てみよう。

○自分の恐怖が強まるのは予測通りだ。

○恐怖を全くなくそうとはしない。ただコントロールできるようにしておこう。

《振り返り》

○うまくいった。やったぞ。

○このことを治療者(グループ)に伝えるのが待ちどおしい。

○思っていたほどひどくなかったぞ。

○恐怖からそれ以上のものが得られた。

○自分のばかばかしい考え。それが問題なんだ。それをコントロールすれば,恐怖をコントロールできる。

○このやり方を使うたぴに良くなっていく。

○自分の進歩がうれしい。

○やったぞ。

怒りの対処リスト

《怒りに備えて》

○これはいやな状況かもしれない。しかし.どうしたらいいかはわかっている。

○これを処理するプランを立てられる。のんびりやろう。

○問題に集中し,ものごとを自分への当てつけだと考えないことを忘れるな。

○言い合いをする必要はないだろう。何をするべきかはわかっている。

《怒りに直面して》

○冷静さを失わない限り,状況をコントロールできている。

○自分の正しさを証明する必要はない。必要以上のことをするな。

○頭にくることは何もない。何をすべきかに集中しよう。

○肯定的な面を探そう。あわてて結論を出さないようにしよう。

《怒りの感情に対処して》

○筋肉が緊張している。リラックスしよう。ゆっくりやろう。

○深呼吸して。さあ,一つずつこなしていこう。

○怒りは.するべきことを敢えてくれる合図だ。問題解決の時だ。

○彼はたぶん私を怒らせたいのだ。でも,そうはいかない。

建設的に処理していくぞ。

《振り返り一対立が未解決の場合》

○忘れてしまおう。考えても腹が立つだけだ。

○はねつけよう。うまくできることの邪魔はさせか−ぞ。

○リラックスしよう。腹を立てるよりずっといい。

○自分への当てつけと考えるな。そんな深刻じゃない。

《振り返り一対立が解決した場合》

○とてもうまく処理できた。いいぞ!

○もっと怒ることもできた。でもその値打ちもない。

○自分のプライドのせいでトラブルに巻きこまれることがある。しかし,トラブルに巻きこまれずにとどまるのが上手になってきた。

○腹を立てないで本当に乗り越えたぞ。

○冷静でいられるぞ。

解説自己教示(self-instruction)というのは、声に出したり、あるいは心の中 で、自分自身に適切な言葉を言い聞かせることで、問題を改善しようとする技法。

 コラム法などの認知的再体制化法(非合理な思考を合理的な思考に置き換えるもの)は、非合理な思考を見つけて反論するのにある程度以上のアタマ (知性?なれ?エリスは中学生以上じゃないと無理といってる)が必要だが、自己教示はそれがいらないので、より適応範囲が広い。また、認知的再体制化の結果、みつけた合理的思考をより確かなものにするにも使える。

 ストレス対処や怒り対処用のことばリストが用意されている。これを自分用に あわせて改変しておく。「訓練」というのは、その時々に(よいタイミングで) それ用の言葉を自己教示できるように訓練するのである。たとえば腹が立った時 をイメージして、腹が立ったとき用の言葉(たとえば「そのことを笑えないか? たぶん、それはそんなに深刻なことじゃない」など)を自己教示するという、認 知リハーサルをやっておくとか。

 うまくいった時用の言葉もあって(たとえば「かなり上手に処理したぞ。うま くいった!」など)、これを自己教示するのは好子(アメ)となって、よい行動 を強化する(回数を増やす)。

参考文献『ストレス対処法』 マイケンバウム (著),根建 金男 (翻訳), 市井 雅哉 (翻訳)価格: ¥660 ,講談社現代新書,ISBN: 4061491989 ; (1994/04)


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