別名 | できるとこまで分割せよ |
用途 | 難しい行動を小分けにしてやりやすくする 行動を小分けにして誉める機会を増やす
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用例 | 着替えさせたいとき 部屋を片付けさせたいとき 宿題をやらせたいとき 新しい行動をやらせたいとき 新しいスキルを学ばせるとき
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使用法 | 1.子どもが手に負えないと感じるような課題をできるだけ小さく細分化する(年齢に応じて、親は課題を細かく分けるのに知恵を貸してやる) 2.子どもは細かく分けた課題にひとつずつ取り組む。親はそれぞれの小さな課題を(a)はじめたとき、(b)終えたときに、褒めてやる。 3.がみがみ言わなくても、やがて大きな課題がおわる。この時は、これまでよりも、もっと褒める(たとえば子どもが難しい課題をやり終えたことを、その場にいなかった人(もう一人の親や祖父母など)に伝えながら褒める、など)。 4.次にやる時は、同じ課題が子どもにとっても、ずっとやりやすくなっている。
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解説 | たとえば「外出するために着替える」といった課題は、 (1)パジャマを脱ぐ (2)パジャマをかごに入れる (3)パンツを履き替える (4)Tシャツを着る (5)ズボンをはく (6)片方の靴下をはく (7)もう片方の靴下をはく (8)片方の靴をはく (9)もう片方の靴をはく といった具合に、細かく分けることができるかもしれない。
子どもにとって、この方法の利点は、そのままでは難しい(何から手を付けていいかわからない)課題を、ずっとわかりやすいものに変えることができるところである。 着替えは、子どもの協力なしには、親にとってもなかなかの難事業である。叱ったりなだめたりしながら、体や足を持ち上げたりおろしたり、ときには子どもが泣き叫ぶのを我慢しながら、ヘトヘトになりながら、やってあげなくてはならない場合もある。 細分化して、そのひとつひとつを褒める方法は、一見まどろっこしく、実際いくらか余分な時間が必要であるが、たくさんの褒める機会を得られるし、次回からはずっとスムーズに子どもは、同じ課題ができるようになる。褒めるのに費やした時間は、必ず報われる。なによりもいつものように叱ったりなだめたりしなくて済む(それらはその場限りにしか役に立たない/その場でもどれだけ役に立っているか怪しい物である)。 この手法は、子どもがその時期時期でマスターしなければならない、さまざまな行動や課題に応用可能である。
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参考文献 | Butler,G. and Hope,T.(1995),Managing Your Mind: The Mental Fitness Guide,Oxford Univ Pr ; ISBN: 0192623834
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