聞くことは、相手への贈与である。何かを与えるような聞き方をしているか?
誰もが話そう話そうとする社会、誰もが「誰かに話を聴いてもらいたい」と思っている(そしてその願いはあまり叶わない)この社会では、積極的に聞き手で
いること、聞き手であり続けることは、とても貴重である。
よい聞き手には、きっと稀少価値がある。
人
に話すことを促す聞き手は、もっと重要だ。話し続けることで、あるいは繰り返し話すことで、ただそれだけで、人は救われたり、考えや感情を整理できたり、
いっぱいいっぱいになった心(アタマ)をいくらか軽くすることができ、自分で振り返ったり、誰かのアドバイスを受け取ったりできるようになる。
逆にいっぱ
いいっぱいになった心(アタマ)には、いっぱいに水が入ったコップみたいに、新しい何かを外から入れようとしても、入らずこぼれ落ちてしまうだろう。
「コップの水を減らすこと」はとても重要だ。
カウンセラーは(とくに最初の数回の面接には)、もっぱら「聞くこと」を武器に、カウンセリングを進めていく。
オープナー(聞き上手)
聞き上手な人間を、心理学では時々「オープナー(opener)」と呼ぶ。オープナー(開く者)は、相手の自己開示を引き出しやすい者のことをいう。
- 相手と目を合わせることが多い
- 肯定的な返事をする(否定しない)
- 相手の話に関心を示す(よく聞く、うなずく)
などが、聞き上手(オープナー)の条件として、よくあげられる。
話を促す聞き方があるように、話を中断させてしまう聞き方もある。会話のリズムや進行は、実は「聞き手」の聞き方にかかっている。
聞くことは、何もしないで相手の前にいることとは、かなり違う。
まず聞き手は、「私は聞いている」というシグナルを(タイミング良く、相手の発言を邪魔しないように)相手におくっている。
逆にうなずきもせず、なんの(ノン・バーバルな)反応も示さない相手には、とても話しづらい。
- 自分と相手の違いを知る
- 尊敬と受容の態度
- ボディ・ランゲージを上手に送る
- 音声メッセージを上手に送る
- 「きっかけ」「小さな報酬」「開いた質問」を使う